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霊界との境界  作者: 紅刃
第一章 門(ゲート)
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第五話

 全力疾走で現場に辿り着いてまず僕の目に入ってきたのは普通の人には見えない黒い瘴気と禍々しいオーラ、そして悪霊に取り憑かれた女性の姿だった。


 「こりゃいつになくひでぇな…」


 いつものんきな希莉も緊張するほどの現場である…


 「なにこれ…怖い」 そう言いながら涼音は僕の後ろに隠れた。


 そこに依頼を受けた神社の神主さんがやってきた。


 「依頼を受けてお祓いの準備に来た時には既にこの状態だった。手遅れにならないうちに早く頼む。」


 そう言われて早速僕は仕事にとりかかる。

鞄にしまっていた御札を5枚取り出した。


 まず御札を二枚使用してこれ以上瘴気が広がらないように、そして悪霊が逃げないように結界を展開する。


 次に取り憑かれた女性を囲むように御札を地面に貼り付ける。


 「さて、仕事の時間だ」


 そう言って僕は神主に渡された小太刀の鞘を取り払う。そして小太刀に希莉を憑依させる。


 これによりこの小太刀は"霊のみを斬る刀"となったのである。お祓い初デビューの涼音は結界の監視と強化にまわってもらった。


 次に「縛鎖!」 と唱える。すると地面に貼った三枚の御札から鎖が飛び出して女性の中の悪霊を縛る。この隙に女性を救出、神社の神主と巫女に女性を任せて僕は目の前の敵に集中する。


 数分の睨み合いが続いた。


 そして激しい攻防が数分続いた。こちらは数ヶ所怪我をしているのに対して相手は全く無傷に等しい。


 「こいつ今までの比じゃないほど強いかもな…」


 希莉がボソッとそういった。それは僕も理解していた。それゆえにこいつを逃がすわけにはいかなかった。


 「やっぱり今のままじゃ難しいな…」


 そう言いながら僕は懐から黒い御札を二枚取り出した。


 「もし絶体絶命の状況になりそうならこの札を使え」


 そう言ってこの札を渡してくれたのは5年前に突然姿を消した僕の力と同じ力を持った祖父だった。しかしこの札が何の札なのかは一度も教えてくれなかった。


 「じいちゃん、使わせてもらうよ」


 そう言って一枚目の黒い札を発動する。すると自分の身体が軽くなった。そしていつもより確実に霊の動きを捉えれるようになっていた。まるで今まで自分が枷に繋がれていた感覚だ。


 身体能力と霊を扱う力の飛躍的に発達していた。一枚目の黒い札は祖父が僕本来の能力を封じていたものを開放するための鍵だったのだ。二枚も黒い札を使うのは流石に自分の身体がついていけるか不安だったので、今使った一枚目だけで留めておこう。


 もう一枚の黒い札をしまって僕は再び倒すべき敵と対峙した。

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