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霊界との境界  作者: 紅刃
第三章 国家都市
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第四十四話

 久々に現世に帰ってきたが遊んでもいられなかった。支部へ行き関西地区の本部と連絡をとってもらう。


「お久しぶりです本部長。一時帰還しました。」


「おお、ご苦労様です。どうですか?向こうの様子は。」


「色々あったのでレポートで提出しました。それで1日休暇をもらえますか?」


「ええ、いいですよ。向こうに戻るのはそちらの門から?」


「はい、移動時間のこともあるので。みんなには無事だと伝えて下さい。」


「わかりました。ご武運を」


 報告を終わらせた僕らは都内のホテルへ移動した。


「あー疲れた。一日休みもらえたから出発は明後日の早朝ねー」


「わーい、久々の休みだー」


「そーいえば暦の時間を止める能力について聞きたいんだけど。」


「はい、何でしょうか?」


「時間停止能力って君自身の力じゃないよね?」


「あはは、やっぱりバレてましたか…出ておいでー」


 そう言って懐中時計を出すとそこから暦と同い年ぐらいの少女が出てきた。懐中時計を霊媒としているのだろう。


「この子は姫奈、名前の通りお姫様なんだけどこれが色々あったみたいで。」


「あ、あの、ごめんなさい。私が説明します。今の国家都市ができる前あの場所には王国がありました。そこを統治していたのが当時の王で私の父です。しかし5年前突然神格霊達が現れ王国は壊滅、神格霊の序列上位5人によって構成される評議院によって支配されるようになりました。その時父は捕らえられ今も牢につながれています。父が捕らえられる直前に私は国から脱出しある老人に保護してもらったのです」


「その老人はどうしているの?」


「最近突然姿を消してしまいました。何もできずに彷徨っていると暦さんと出会ったので彼女を宿主として懐中時計の中に…」


「君の目的は王国の再建?それとも親父さんの奪還?」


「父と安全な場所へ移動するのが私の目的です。」


「わかった。神格霊がいるのなら僕らの目的と並行して実行できる。」


「ホントですか?ありがとうございます。」


「よーし、当分の予定も決まったし明後日まで楽しむぞー」


「「「おー!!!」」」


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