第四十二話
「お、やっと目が覚めたか。」
安心したせいか再び眠ってしまっていた少女が目を覚ます。
「そーいえば君の名前は?」
「おはようこざいます。失礼しました。私は暦、八代暦です。」
「暦ちゃんかー。んで?なぜ僕を探しに?」
「人間界に新しい門が開いたんです。場所はこの街から北に数百キロ行ったところと繋がっています。」
「ってことは君は人間界から?」
「はい、関東地区東京第二管区所属です。」
「ちゃんと自己紹介してなかったね。初めまして僕は紫苑、関西地区大阪第四管区長です。」
「管区長?!すみません。私のような一般階級が…」
「あー気にしないで。あまりそういうの気にしてないから。それで、こっちが妖刀保持者の希莉、神具の保持者の涼音、冥具の保持者の紫紅だ。」
「よろしくな!」
「よろしくお願いします。」
「よろしく。」
「皆さんすごい…よ、よろしくお願いします。」
「それで君はなぜこの世界に?」
「はい、実は門の出現時にその場所にいまして。気づいたらこの世界に。」
「なるほど、強制転移させられたわけか。」
「はい、しかも私が目を覚ました場所周辺には門がなくて帰れなくてオロオロしていたところを商業の馬車に拾われてそこで紫苑さんのう和を聞いたんです。」
「それで途中の村から歩いてきたのか…なんというか、お疲れ様。今日はゆっくり休みなよ」
「は、はい。それではもうひと眠りします。」
「おう!」
それにしてもよく寝る子だなと僕は思ったしかしそれ以上考える間に僕らも寝てしまった。
僕が目を覚ましたのはまだ日も昇っていない早朝だった。まだ他の人達は寝ていたのでとりあえず律花達に連絡してみた。彼女らが早起きなのは知っていたのでこの時間でも大丈夫だろう。
律花と音羽は黄泉から戻った後神界のイザナギの元で保護されていた。
「あら、お久しぶりです。どうしましたか?」
「この街からずっと北になにかある?」
「たしか国家都市があったとおもいます。」
「その国家都市までどのくらいかかる?」
「距離的に普通の人が歩けば三週間ほどでしょう。馬で一週間半ぐらいですかねー」
「そのぐらいなら3日で行けるか…」
「都市で何をする気ですか?」
「人間界にまた新しい門が開いたらしいからそこら辺の都市が原因不明かと思って」
「たしかその都市は神格霊の序列上位五人が支配していたはずです。」
「なるほど、やはり侵略目的か」
「これはまた長い戦いになりそうですね。私共でよければいつでもお手伝いしますよ」
「ありがとう。それじゃ、なにかあったらまた連絡する。」
「はーい。」
念話とはなんと便利なんだろうか。この世界にきて驚かされた技術の一つである。これにより異世界同士でも連絡をとることが可能なのだが残念ながら人間界に使える人がいないのでとりあえず暦がこちらに来た時に開いた門を探すとしよう。




