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霊界との境界  作者: 紅刃
第三章 国家都市
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第四十一話

 僕らが霊界での活動拠点としている街からはるか北、霊界の中心にあたる場所に巨大な国家都市が築かれていた。都市の周辺には巨大な壁が築かれ東西南北それぞれ4つずつ合計12個の関所がある。


 その国の長、神威の耳にも異世界から来た半神半人が三種の神器を全て集め更に使いこなしたという噂が入っていた。


 神威を始めとする序列一位から五位までの五人で構成される評議院ではこれにどう対処するかで持ちきりだった。和解、処分、更には新たな長として配下につくなど色々な案がでていた。


「で、どうします?彼は既に我々神格霊のうち四人を仕留めている。和解というのは不可能かと思われるが。」


「確かに、和解という手段は難しいですね。」


「では和解と配下につく方針はなしで。」


「ってことは処分?」


「本当はそうしたいがしばらくは監視ということにしておこう。下手に手を出せばこちらもやられられる。」


 その会議でただ一人最後まで黙っていた人がいる。神格霊序列第一位評議院第一席の神威だった。彼は一体何を考えているのだろうか。


 もちろん都市で評議院達による会議が行われていることを知らない僕らは日雇いの仕事を見つけてはお金を稼いでいた。


 そんなある日、その日も仕事で街外れの高原で狩りをしていた僕らは倒れている少女を見つけた。


「この子誰だろう。」


「俺が知るわけないだろ」


「とりあえず宿に連れて帰りますか。」


「希莉と紫紅はこの子を連れて先に帰ってて。僕と涼音はこの仕事を終わらせて帰るから。」


「了解した。」


「わかった」


 このまま夜がくると危ないので一旦僕らで保護することにした。


 仕事を済ませて宿に戻ると少女は目を覚ましていた。


「あの、助けていただいてありがとうございます。」


「いいよ、気にしないで。それよりなんであんなところで倒れていたの?」


「あ、う、私はある人を探してこの街まで来たのですが数日何も食べずに歩き続けていたので力尽きてしまって…」


「その探している人というのは?」


「この街に三種の神器を使いこなせる人がいると聞いて…」


「ほう、そんなすごい人がいるんだ」


「おい、紫苑、お前の事だ。」


「紫苑さん誤魔化さないでください」


「主のことだろうな」


「三人共ばらすなよ…」


「え?!ほんとなんですか?よかった、見つかった…」


 そう言って安心したのか少女はまた眠ってしまった。


「またなにかに巻き込まれそうだな…」


「でも高原でこの子拾ったの紫苑だから仕方ないよなー」


「ですねー。もう遅いです。」


「諦めろ。」


「お前ら、慰める気ゼロかよ…」

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