第三十九話
「なんだこの力は、ほんとに貴様は幽霊なのか?」
「残念ながら僕は幽霊ではありませんよ。人です。」
「く、どおりで。だが妾の力はこんなものではないわー」
「おいおい、マジですか…」
懐に入って攻撃を続けていたはずだが気づくと話されていた。
「なるほど、幻影ですか」
「よくわかったな。しかしどうにもできんよ。」
槍の届く範囲の外に要られるとこちらは攻撃のしようがない。その時イザナミの髪がまるで蛇のように伸びて襲ってきた。それを槍を回転させて防ぐ。しかし一撃一撃が重かった。
「涼音、あとどのくらい耐えれる?」
「このままだと持って数分かな。」
「よし、防御を捨てる。合図したらその一撃に全ての力を回して。」
「了解。」
槍を前に突き出して突進する。イザナミの髪が僕の身体を貫く。普通なら攻撃を与える前に蜂の巣になるのだが僕はもう人であって人でない存在、超再生能力のおかげで貫かれたそばから再生する。
しかしまた幻影でかわされた。僕は一旦距離を取る。
「涼音、いける?」
「全力を注ぐよ」
涼音に合図を出し戦闘服の効果付与で肉体強化する。そして思いっきり地面を蹴った。
その瞬間、僕は音速に到達した。
爆音と共に槍はイザナミの身体を貫いた。悲鳴をあげて倒れるイザナミ。しかし次の瞬間その穴は塞がっていた。
「心臓から少しズレたか…」
「残念だったな、一撃で殺さないと妾は再生できるのじゃよ。」
「じゃあ、一撃でやらせてもらいます。」
そう言って涼音の憑依を解く。そしてパンドラの箱を起動する。箱から出た瘴気は僕を包み込み姿を変えた。コート、靴、手袋、仮面と全身の装備に変わる。
するとパンドラの箱から瘴気ではない何かが刀を包む、そして姿を変えた。[クサナギの剣]の具現化だ。案の定イザナミは驚いている。
「イザナギが許可したというのか?その剣に選ばれたのか?」
「質問が多いですね。見ての通りですよ」
「三種の神器を扱えるのは神と管理者だけのはずじゃ。」
「もし僕が神だったら?」
「何を言っておるのじゃ?そんなはずは無かろう。貴様は人だと言ったじゃないか」
「確かに人ですよ。でも残念ながら半分神なんですよ。」
「そんなわけ…」
「あーもういいですか?話が長いですよ」
イザナミが何か言おうとしたところで嫌気が差した僕はそれを遮り斬りかかった。
音速までとはいかなかったが相当の速さで移動する僕に反応しきれなかったイザナミはなす術もなくその場に崩れ落ちた。




