第三話
「ただいまー」そう言って僕は帰宅した。
「おかえりー」と少女の声…少女の声?!
たしか僕は一人暮らしだったはずなのになぜ誰もいないはずの家から少女の声が?
幽霊が見えるくせにビビリな僕はビクビクしながら部屋に入りリビングへ行き電気をつける。
「やっほー!今朝はどーもー!!」
……
「は?」 思わず素が出てしまう。
「えっとーどちら様?」と僕が驚きを隠せないでいると横から希莉が「こいつ朝のサ○コもどきじゃね?」っと言ってきた。
しかし朝のサ○コもどきとは全然容姿が違うのである。混乱して何も言えない僕。
すると少女は「よくわかったねー!流石同類!」…
(え?!やっぱり朝のサ○コだったの?!)心の中でそう思いながら僕の頭の処理能力は限界に達した。
とりあえず晩御飯を作って食べ終わってしっかりと片付けまで済ませる。さてと今度はこっちの問題を片付けないと…
「それでー朝のサ○コと全然姿が違うけどどーゆーこと?」まわりくどいのは嫌だったので率直に聞いてみた。
(ここで朝のサ○コと目の前の少女の容姿を比べてみよう。朝のサ○コは腰まで長い黒い髪に真っ白なワンピースを着ていた。しかしだ、この少女は白い髪で長さはショートカットだった。それにダボダボのパーカーを着ていた。どう見ても朝とは別人である。)
「あ、あれですか?変装です!」と元気よく答えてくれる彼女…
「変装のレベルじゃねーよww別人じゃんか!!」と、また素でツッコミを入れてしまった。
この後三時間ほど希莉を含め三人でボケとツッコミを繰り返したのであった…
〜三時間後〜
疲れた…もう、それしか言えない…
まぁ、この三時間でわかった事といえば彼女の名前が涼音ということと希莉と同じように僕に取り憑きたいということだった。
取り憑くといっても全てが悪いことではない、彼女は悪い霊ではないことがわかったので渋々了承せざるを得なかった。(了承しないと毎日肩にのると言って聞かないからだ…)
幽霊が自分に取り憑くのは2パターンある。 自分の霊体に取り憑くパターンと身につけている物を霊媒として取り憑くタイプだ。
ちなみに希莉は僕の母がお守りに持たせてくれた小さな水晶を霊媒としている。(お守りの効果とは…)
何を霊媒に与えようか迷っていると涼音は勝手に僕の腕についている数珠に入ってきた。
まぁ、アクセサリとして買ったものだから役に立つのならいいか…と、思いながらまた一人家族が増えたのだった。