第二十七話
律花の話によると鏡は社の中にあるらしい。しかしその社まではかなり距離があった。
「律花さん、ちょっと飛ぶからつかまっててね。」
「え?はい?ってええええぇぇぇえ」
律花が飛ぶの意味を理解しきる前に空高く舞い上がる。涼音の力、[ヘルメスの靴]のおかげで普通では3日かかるところを3時間に短縮できた。
「紫苑さん、飛ぶなら飛ぶとちゃんと説明してくださいよ!」
「え、僕飛ぶって言いましたよ?」
クタクタの律花、ケロッとした僕、疲れて希莉に担がれる涼音。社に行くには秘密の通路とやらへ行かなければいけないらしい。
「ここから入れるのはアマテラス様に許可もらった者、つまり私しか入れません。」
「んじゃ、ここで待っとくから撮っておいでー」
ということで入り口にて待機することになりました。
数分後律花が鏡を持って出てきた。
「お待たせしました。これが鏡です。…きゃっ」
律花が言い終わら前に僕は彼女を入り口から奥へ追いやった。その瞬間1羽のカラスが入り口の障壁にぶつかった。そう、カラスを操る神格霊『黒鴉』、彼の襲撃である。
「やはり鏡を狙ってきたか、希莉、紫紅、憑依しろ。」
[炎刀 焔]、[冥界のローブ]
涼音は移動中に体力を使ったので休憩させた。
「あのー私はこの中にいればいいんですよね?」
律花が後ろから声をかけてくる。僕は「はい」と一言だけ返事をして戦闘状態に入る。
次々とカラスが突っ込んでくる。律花は無事だが僕の周りは倒れたカラスだらけだった。
カラスといってもただのカラスではなかった。クチバシが長く鋭かった。おそらく彼のオリジナルの品種改良さらたものだろう。
もはやカラスではなく誘導ミサイルと言うべきじゃないか?…しかしこちらの攻撃は全く黒鴉に届かなかった。近距離戦に持ち込めないからだった。
その頃涼音はすっかり回復して結界で必死に入り口を守りっていた。その涼音がいる位置の高くにこの世界に来る前に買ったアーチェリーのケースがあった。
「これ、弓?私の力ならこれ使えるかも。」
そう思った涼音は戦闘中の紫苑に向かってアーチェリーをぶん投げたのであった。




