第二十六話
その日、僕らは街へ食料調達へ出ていた。そしてその時は突然やってきたのだった。
「待ちやがれー」
大声と共に人混みの向から大男が二人走ってきた。そしてその2mほど前を少女が必死に逃げていた。
「万引きかな?治安悪いのかなここ…って、うわっ」
他人事のように見ているとその少女にぶつかってしまった。このままでは少女が捕まってしまう。でも万引きしたのなら罪は償わないとー。
「助けてください。あの人たちに追われているんです。」
それは見てわかった。しかし助けを求めるその少女は何も持っていなかった。万引きではなく拉致の現場?のようだった。
「仕方ないか、走るよ。」
そう言って彼女の手を引き走りだす。それと同時に効果付与のステルスを付与する。
少女を連れて宿に戻ってきた僕は彼女を見て驚いた。なんとあの夢に出てきた巫女だったのだ。
「えっとー、貴女はなぜ追われていたのですか?」
いきなり質問をしてしまった。
「私は柊 律花と申します。アマテラス様に仕える巫女で三種の神器の一つ[ヤタの鏡]の管理者です。先ほどの大男達は神格霊達の差し金です。彼らは三種の神器を手に入れこの霊界だけでなく神界、現世、黄泉までも支配しようとしているのです。」
おいおい、話が一気に大きくなってないかー?!現世だけでなく神界と黄泉まで出てきちゃったよ…僕は驚きを隠せないまま質問を続けた。
「それは神格霊達がこの世を支配しようとしているってこと?」
「はい、どうか私に力を貸していただけませんか?」
「なるほど。あ、僕は紫苑。んで、こっちが希莉、こっちの子が涼音、あとこっちが紫紅。でも、いきなり手を貸せと言われてもな…」
「要は神格霊どもを倒せば済んだろ?俺らの目的と一致する部分があるからいいんじゃないか?」
「そうです、希莉の言う通り!」
「主、ここで断ったらかっこ悪いぞ?」
「仕方ないか、わかりました。協力しましょう。」
「ありがとうございます。」
なんだか突然「お前が勇者だ!!」と言われて魔王退治に生かされるのと同じ気分だった。
「それで、まずどうする?片っ端から神格霊倒していくのもアリかもしれないけど。」
「まずは三種の神器とその管理者と合流しましょう。敵の手に神器が渡ってしまっては元も子もありません。」
「了解、それじゃあまずは鏡を回収しに行きますか。」
こうして着実に夢が現実となってゆくのであった。




