第二十二話
「そーいえば主よ、私は武器になったことがないが大丈夫なのか?」
3体の鬼を前にして紫紅が言う。大丈夫じゃなかったら連れて来てないよね。多分希莉達の潜在能力は彼ら自信も気づいてないらしい。
「大丈夫だよ。今回はコートじゃなくて御札に憑依してもらうけどね。」
そう言って僕は取り出した御札に紫紅を憑依させる。
[デスサイズ]
それが彼女の持つ死神シリーズの一つである。その名の通り死を運ぶ鎌である。にしても巨大だな。流石に重い。
鬼が雄叫びを上げて巨大な腕で攻撃してくる。それをかわしてコートから3枚の御札を取り出して鬼に向かって投げる。そして、
「縛鎖」
そう唱えると御札から鎖が飛び出し一匹の鬼の動きを封じる。流石は御札の店の店長の最高傑作だ。前の鎖より強度が桁違いだ。
流石に鬼を数体同時に相手をするのは大変なので一体ずつ動きを封じて一体ずつ片付けていく。
「次はー後ろのあいつの動きを封じよう。足を落とすぞ。」
紫紅の提案通りに後ろの鬼の足元で思いっきり鎌を振るう。鈍い音がして鬼がその場に倒れこむ。これで一体ずつ相手ができる。
しかしこの木々の中大きな鎌を振るうのは大変なのでこの前希莉でやったように2つの御札に憑依させて二本の鎌に分ける。それでもそこそこ大きいが大鎌モードよりはマシだ。しかも嬉しいことに二本の鎌は鎖で繋がっている。
鎖を巧みに使いまず一匹の鬼の動きを封じる。足の健を切れば人間だろうが鬼だろうが動けない。ここでまた大鎌モードに切り替えて一刀両断する。すると切り口から黒い炎が出て鬼を燃やし尽くした。流石は死を運ぶ鎌、確実に相手に死を届けるのだった。
あらかじめ動きを封じていたあとの二匹も同様に一刀両断して処分した。
こうして僕と紫紅によって集落の危機は一時回避したのだった。




