第二十一話
扉を開けるとそこは広大な平原だった。平原の真ん中にぽつんと佇む神殿、その前に僕らは立っていた。
「なんか想像してたのと違うなー」
「え?希莉はどんなとこを想像してたの?」
「んー、マグマがポコポコしててあたり一面岩だらけでー」
「「それ地獄ww」」
希莉のボケとしか思えない想像に思わずツッコミを入れてしまう僕と涼音だった。
「まわりに敵の反応はない、見つかる前に移動しよう。」
相変わらず冷静な状況判断をする紫紅。なにはともあれ言われた通り移動しよう。
しばらく移動してると森が見えてきた。あそこなら姿を隠すのにうってつけだ。迷いなく森に入った。
木々や植物、動物まで見た目は現世とは変わらない。変わっているところといえばすべてが霊子で構築されているところだ。
とりあえず霊子を吸収すればしばらくは生きていけるだろう。封印が解除されて半神になったおかげで霊子を体内で必要な栄養素に変換される体質になった僕はこの世界で困ることはないだろう。(一週間分の食料買ったのに…)
木の上を移動しながら森を散策していると集落を発見した。初めてこの世界の住民と接触する。
「こんにちは、旅の者ですが。この世界について教えていただけませんか?。」
旅してるくせにこの世界について知らないってどんなやつだよと自分で自分にツッコミみいれつつ聞いてみた。
「こんにちは、わざわざこんな森の中までお疲れ様です。この世界は神格霊の方々によって統治されているんです。数年前から各地で崩壊現象がおきているみたいですがはっきりした情報は入ってきてません。」
なにも疑わずに教えてくれた。そして何より驚いたのは以外に友好的だったことだ。
「2.3日だけこの集落に滞在してもよろしいですか?寝床は木の上で構わないので。」
「えぇ構わないですよ。でもここ最近森には怪鳥や鬼が出ています。いつこの集落が襲撃されるかわかりせんよ?」
「この村に滞在させてもらうお礼といってはなんですがその怪鳥や鬼は僕らが討伐します。」
「本当ですか?!命を落としかねませんよ?!」
「大丈夫です。僕ら鬼を討伐したことあるので。」
「それなら安心です。是非お願いします。寝床はそこの空いている小屋で良ければお使い下さい。」
「お心遣い感謝します。」
空いている小屋のわりにはしっかりと管理されていた。一日中歩いて疲れていた僕らはすぐに眠りについた。
その夜紫紅に起こされた。外に出てみると木々の間から2.3体の鬼がこちらに向かっているのが見えた。
「さて、初仕事しますかー。」
寝ている二人は寝かせといて、僕は紫紅と二人で鬼の討伐へ向かった。




