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霊界との境界  作者: 紅刃
第一章 門(ゲート)
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第十八話

 暗い路地裏を抜け大通りに戻ってきたのだった僕は行く場所を決めずにとりあえず歩き続ける。


「そーいえば今日って何曜日だ?」


 任務続きで曜日感覚の狂った僕は今日が平日なのもわからなかった。


「今日は木曜だな。あれ?お前学校は?」


「たしか休学するとか言ってたよね〜」


 なんで涼音が休学のこと知ってるんだろう、一度も言ったことないのに…エスパーかな?そう思っていると


「やだなーエスパーじゃないよーww」


 急に涼音が返答してきた。いや、絶対エスパーだ。


「休学中だけどとりあえず状況の説明に学校行くかー」


 学校の門の前で警備員に止められた。そりゃ制服じゃないから入れてくれないよなー。そう思いながら僕は除霊師である証明証を見せた。この証明証があれば階級によるがどこでも入れるのだ。ましてや管区長である僕なら警視庁にだって入れるぐらいだ。


 コンコン…ドアをノックして自分のクラスの教室に入る。もちろんみんなは驚いて授業は中断、先生に事情を説明してみんなと話す時間をくれた。


「まずはみんなにこれを見てほしい。」


 そう言って眼の色を元に戻しホログラムを解除して角を出現させる。それを見たクラスメイトは言葉を失った。


「見ての通り、僕はもう人ではないと言えます。しかし皆さんに害が及ぶことはないので安心してください。僕はこれから門の向こうの世界へ行きます。必ず帰ってくるとは言えません。だから僕が今言えることは、いままでありがとうございました、それだけです。」


 そう言い終わってから眼の色をかえて角もホログラムで消した。そしてそれ以上何も言わずに学校を後にした。


「これでよかったのかー?」


「あぁ、よかったんだよ。嘘をついてもいつかはばれるからね。」


「私はいつでも君の味方だからね!」


「ありがとう涼音。」


「全く、主は馬鹿正直なんだから…」


「嘘つきよりはいいでしょ?」


こんな会話をしながらまた大通りに戻ってきた。さて、久々にスイーツでも食べるかね。そう思って近くのカフェに入っていった。


 こうしてのんびりしているとあっという間に一日が終わってしまった。明日は神社に挨拶して希莉達を憑依させるための道具を調達しに行こう。珍しく次の日の予定が決まったところでその明日まであと一時間を切ってしまった。


 その日は珍しく日の出前に目が覚めた。朝の五時、外は寒いが神社へ行くと巫女さんたちが神社の掃除をしてた。僕を見つけた巫女さんが神主さんを呼んできてくれた。


 神主さんに建物内へと案内され今までの感謝と今の状況を伝える。すると神主さんは僕に一振りの刀をくれた。代々神社が管理してきた大切な刀らしい。この刀は適合者しか使えないらしいが僕の実力なら大丈夫だろうと神主さんは言っていた。そして必ず返すようにと言っていた。


 神社を後にして僕らは明日に向け最後の準備へ向かうのだった。

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