第十三話
割れ目の発生から3日が経った。あれから僕らは除霊というより霊の討伐にかかりっきりだった。学校には状況を説明し休校扱いにしてもらうことができた。
身体の7割が一瞬で消滅しない限り何度でも再生していまう身体になった僕は今日も最前線で戦っている。そしてこの日、僕らにとって大きな出来事が2つ起きる。
朝から5.6体の霊を討伐した僕は割れ目の近くへ来ていた、すると物凄い轟音と共に割れ目がさらに広がった。そしてそこから大きな槍をもった他の霊とは桁違いの霊力を持った男が出てきた。
霊力とはその霊が持つ力であり常に霊体から放出される力である。
あの大きな槍…
そう、一度僕を殺した奴である。他の除霊師が討伐にあたると瞬殺されるだろう…こいつだけは僕がやらなくては…
「やっと俺が本気で相手できそうなのが出てきたな」
「今度は絶対に私が止める」
「主、ぶっつけ本番なのも悪いがそろそろ私も戦いに参加させてもらえないかな?」
「よし、全員の全力をもってこいつを討伐しよう」
希莉を御札に憑依させ武器へ具現化。
[炎刀 焔]
涼音を御札に憑依させ盾へ具現化。
[イージスの盾]
そして、紫紅を僕のコートへ憑依させる。
[冥界のローブ]
[冥界のローブ] すべての呪いをはねかえし状況に合わせた状態変化が可能な便利なローブだ。
初めてにしては上出来だろう。そう思っているとまたあの槍が飛んできた。
しかし今回は前回のようにはいかない。槍は僕に刺さる前に盾で跳ね返された。相手は変な仮面をつけているため表情まではわからなかった。
こちらもやられてばかりではいられない、焔で思いっきり斬りかかる。
しかし焔の炎は一瞬にして消えた、その代わりに大量の水蒸気が僕らを包んだ。
[水の鎧] 相手の全身は水で覆われていた。そのせいで焔の炎は消されたのだった。
「相性がわるいがどーするんだ?」
驚いた希莉がそう叫んでいた。しかし僕は至って落ち着いていた。ふたつ目の封印が解けたことで彼らに眠る潜在能力を理解できていたからだ。
希莉の潜在能力、妖刀シリーズ
涼音の潜在能力、神話シリーズ
紫紅の潜在能力、死神シリーズ
それぞれ伝説級の武具のシリーズである。しかしまだそのシリーズすべての内容までは理解できていなかった。
僕は目を閉じて焔に気を集中した。
すると当然手元に雷が落ちてきて焔は雷で包まれたのだった。




