第十話
気が重い。
突如訪れた最悪な出来事に僕の思考は徐々に対応してきた。学校を後にして気は進まないがとりあえず夕食の食材の買い出しに向かう。
さっきからずっと二人は黙ったままだった。スーパーに行くにはこっちのほうが近道か、そう思いながら人気のない路地裏に入る。
そこで僕は足を止め二人に
「よく頑張ってくれた。今日の夕飯は豪華にしような。」
そう言いながら二人の頭を撫でてやった。
希莉は撫でられるのが嫌いなのかそっぽを向いてしまったが涼音は照れたのか顔が赤くなっていた。
一通り買い物を済ませて帰宅し夕飯と家事をすべて済ます。まだ9時頃だが疲れたのか二人は寝てしまっていた。僕も疲れたので早めに寝ようと思ったが、いざ布団に入ってみると明日どうしようと考えてしまい寝ように寝れなかった。
その時携帯に通知が届いた。何かと見てみると第四管区に所属している除霊師のリストと連絡先が送られてきた。「そーいえば僕、管区長になったんだっけ、大出世にも程があるよな…」 そう思いながら僕はいつの間にか眠っていた。
次の日、すごく行きづらいが仕方なく登校した。
しかしクラスメイトは僕に対して冷たい態度をとらなかった。逆に「そーゆーことなら早く言えよーww」「お前ってすげーんだなww」「興味あるからおしえてくれよ!」と優しく接してくれた。思わず涙が溢れた。
その日は朝から夕方までクラスメイトに仕事について話すのでいっぱいだった。休み時間になると必ず囲まれるのだ。昨日あんなに悩んだのは一体何だったのか……まぁ、でも結果的にはプラスだったからいいか。こうして僕の学生生活は以前と変わりなくおくれるようになったのだった。
しかし、こうやって普通に日々をおくれるのはあと少しの時間しかないのだった。
僕が学校から帰っている時と同時刻本部では北海道〜九州(沖縄も含む)地方の全本部の本部長らによるビデオ会議が行われていた。それは日本中で発生している悪霊が突如強くなったことと今後起きるとても重大な出来事に関する内容だった。
この会議中に関西地区の本部長が言った。
「この悪霊が突如強くなったことを前兆として見るともうすぐ門が開くだろう。」




