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神々の恩恵 -Blessing of Gods-  作者: 宙島 紺
序章 編入篇
8/13

第8話 決闘

マルス神授術ディーテ炎弾フレイムバレット!」


開始の合図とともに、炎の球を一つ放つグリム。真っ直ぐサルバへ向かってゆく。

対するサルバも、水の球を一つ放つ。


アーク神授術ディーテ淼弾アクアバレット


火の球と水の球が衝突、蒸発、消失する。


次はグリムの正面に、今度は八つの炎の球が浮かび上がる。そして、一斉にサルバへ向かって放つ。


(数を多くすれば対抗できるとでも思ったのか。甘く見られたものだな。)


サルバは同じ数だけの水の球を作り出し、炎の球に全てぶつける。

先程と同じように衝突、蒸発、消失する。


「なあ。こんな単調な決闘の何が面白いのだ。もう少し、戦術戦略を駆使しようというのは無いのか。まさか、カユラとの闘技が力勝負だった訳ではあるまい。」

と、サルバがグリムに向かって叫ぶ。


「(ゲッ…最後の方は力勝負そのものだったんだけど…)

じゃあ次は、

マルス神授術ディーテ爆炎光線フレイムレイ!」


「ちっ、また力で押してくる気か。無駄だと言っておるのに、

アーク神授術ディーテ淼漠障壁アクアバリア


高密度の炎の一筋が、水の壁へと衝突し、蒸発する。


(やはり俺と同じく第二段階まで会得していたか。編入してきただけの事はある。だが、所詮この程度。俺のこの障壁に穴一つ空けられないようじゃ、相性が悪い貴様は、力勝負どころか、何をやったところで俺には勝てん。)

水の障壁は、サルバの足元へと広がり、水溜りと化した。


すると背後から炎の剣が迫ってくる。

グリムはサルバが水の壁を出して見られていない間に、サルバの背後へと回った。そして、左手から炎を出し、剣の形に整える。


マルス神授術ディーテ爆炎刃フレイムブレード


炎の剣先が足へ向けられる。

決闘といえど、致命傷を与えてはならないので、足を負傷させて戦闘行為を満足にできなくさせようという算段だ。


ところが間一髪のところで、サルバはこれを回避。炎の剣は太ももに擦り傷と火傷を与えただけとなり、グリムは勢いそのまま水の障壁に突っ込む。


「ゴホッ…ゴポポ……」


すると、水の形状が壁から球体へと変化する。

グリムを閉じ込めた水球は、宙に浮く。


「いきなり突っ込んでくるとは、貴様はバカか。今時、接近戦は不利。避けられたら、即お終い。そんな事も分からないとは、お前を買い被りすぎていたようだ。もう少しまともな決闘になるかと思っていたが、これで終わりにしよう。」


アーク神授術ディーテ淼球加圧アクアドームプレス


サルバは水圧を上げて、戦闘行為不能にさせようとする。

ところが、なぜかグリムの身体の表面に泡ができ、それが球面へ浮かび上がる。すると、泡は次第に大きくなり、数も増えてくる。


「これは、沸騰?ということは、発熱……派生形…だと?」

サルバの口から言葉がこぼれる。


沸騰はしばらく続き、しまいには、グリムを覆っていた水は全て水蒸気となった。


「沸騰して蒸発しやがった。」

「じゃあ、あれは火の神授術の派生形じゃねぇか。」

「三年で習う項目だぞ。何で三年のあいつができるんだ。」

会場からはどよめきの声が。

「やってくれるな、スクラード君。まさか派生形まで会得しているとは。」

サルバからは称賛の声が。


「だが、ここで引き下がるわけにはいかない!」

サルバは両手を前に出す。


アーク神授術ディーテ淼龍アクアドラゴン


大量の水がサルバの足元へと広がり、その一部が龍と化し、グリムを襲う。

左手を前に出して受け止め、沸騰を試みるも、水の量が多すぎて発熱が追いつかないとみるなり、前に出した左手を後ろにスライドさせて、水の龍を受け流す。


(派生形といっても、まだ最初の段階。身体に触れたものに熱を加えることしかできないようだな。なら、こっちは数で押し切る。)


サルバは続けて、二体同時に足元の水から龍を生み出す。

これを見たグリムは、左手を下にむける。


マルス神授術ディーテ爆炎噴射フレイムラジエーション


カユラとの闘技と同様に、ロケットのように炎を噴射して空中へ。

三体の水の龍は、グリムへ向かって昇って行く。


「(ハダル兄、最後はよろしく。結構頑張ったんだけどね、もうこれ以上は火では限界だよ。)」

(ああ。不利な相手によく耐えた方だろう。及第点といったところか。)

「(厳しいなぁ…)」


イルギスの表情が、初日の自己紹介の時と同じ鋭い目つきへと変わる。


ハダルは右手の人差し指を立て、天高く突き上げる。


ヴリム神授術ディーテ豪靁墜とし(サドフラーナ)



ハダルは右手を振り下ろした。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


もう少し長くしたかったんですが、グダグダになりそうだったので。


なろうっぽく、行間をたくさん開けてみました。こっちの方が見やすいかな?


次話、4/13(月)21:00 更新予定


タイトル変更しました。

そして次で、序章完結です。

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