第12話 ハダル&ジークvsカユラ&ユーノ (決着)
やっと投稿。
遅くなりました。すみません。
"代われ、グリム"
(え?)
"雷は土には弱いが、水には強い"
(とは行っても、この泥沼はどうにもならないんじゃ…まさか、)
"ああ。『拡散』をつかう"
(ああ、なんだ。『拡散』ね。)
"お前は俺が何を使うと思ったんだ?"
(『分離』)
".使う訳が無いだろ"
(だよね。まさかハダル兄がそんな残酷な事するわけないよね。)
"たかだか模擬戦闘のレベルだぞ"
そう言って、グリムからハダルにイルギスの身体使役権が移る。それに伴って目つきが鋭くなる。
右手に力を込める。身体中の雷の神の恩恵を『拡散』へと形を変えて、右の掌へと集めていく。
そして十分に力が溜まった所で一気に解放する。
『拡散』
その名の通り、右の掌を中心として四方八方に泥が散乱する。
それと同時に自らの身体は『拡散』の力に任せて空中へ吹き飛ばされる。
次に右手をジークへと向けて、同様に『拡散』を放つ。
すると先程同様に、無数の泥とともにジークも空中へと吹き飛ばされる。
神の恩恵は身体が直接触れている所から、もしくはそこへしか作用しない、というわけではない。
手を出したり振るったりしている理由は、そっちの方がイメージし易いというだけである。
神の恩恵は、イメージがとても重要であり、きちんと明確にイメージをしなければ神授術は十分な力を発揮せず、不発に終わることもある。
ただしイメージを明確にできるならば、突っ立ったまま貴族の暗殺なんかもできないことはないのだ。あくまで極論だが。
ハダルとジークが空中に吹き飛ばされた直後、2人が元いた場所の泥が瞬時に固まる。
「(もう一瞬遅れていたら、土に埋まっていたのか。なかなか油断ならない。)」
ユーノが泥に含まれる水分を2人がいた付近から外へと逃がし、その分カユラが外から土を集める。これを瞬時に行うことで一瞬にして泥は石の塊へと変わる。
(もう、あと少しだったのに。なかなか決めさせてくれないわね。)
カユラは心の中で悔しがる。
(今のは『拡散』?まさか雷も派生型を使えるなんて。四年生でもやっていけそうなんですけどね)
ユーノは冷静に分析をする。
空中にいる二人は、泥から免れたからといって安心することはできない。
着地すれはそこは泥沼なのでまた同じことを繰り返すだけなのだ。
さて、どうしたものかとハダルは考えていると、足元から風を感じる。
風神授術・風の足場
ジークの神授術により空中で浮く事に成功する。しかし泥沼との距離は近い。
その間、ジークは他の(特に大技のような)神授術をあまり使うことはできない。集中力を削ぐとすぐに神授術が発動しなくなり落下するためだ。
すると泥沼の中から大きな泥の手が飛び出しジークとハダルは捕まる。
泥沼との距離が近かったために反応が遅れてしまったのだ。
そして泥は石へと変わり、その重さに逆らうこと叶わず、泥沼へ落下する。
再び泥沼へと誘われ、今度こそ2人の周囲の泥を石に変えて身動きをとれなくする。
「やっと捕まえた。最後の最後まで足掻くんじゃないわよ。まったくもう」
そう言ってカユラは息を吐き出す。
最後の粘りは精神的に応えたらしい。
「で、どうする?そこを抜け出す方法はあるの、ですか?」
カユラはジークとハダルの2人に問う。しかし、ハダルの目つきの悪さに、思わす敬語を使ってしまう。
"ちょっと、ビビらせたらどうすんのさ。ほらほら、代わった代わった"
(何を言っている、ちょっと待て。まだ終わったわけでは…)
グリムは精神世界でハダルに交代を促す。
ハダルは不承不承といった感じだ。
不承不承?
それは違うな。
というわけで、(というわけで?どういうわけだろうか。)グリムが表にでてきたことで目つきが元に戻る。
そしてカユラの問いに答えるべくジークに目を配ると、ジークは苦笑い。どうやら対抗手段を持っていないらしい。
「僕たちの負けみたいだね。勉強になったよ」
グリムのこの一言により、この闘技は決着した。
「僕たちの課題は連携かな?」
「そうだな、まず複合神授術を習得しないことにはどうにもならないな」
グリムとジークはお互いに意見を交わす。
「それにしても、あの泥沼はすごいね。抜け出しても、あの泥の手でまた引きずり戻されるし」
「あれは時間がかかるのよ。地面全体に力を伝えなきゃいかないから。ま、今回は真っ正面から力勝負をしてくれたから、なんとか時間をかせげたけど」
「他にも、泥の石化にも力を使うので、消耗が激しくて」
その後、四人で意見交換等を行った。
どうやら今日の放課後からグリムとジークは特訓を始めるつもりのようだ。
タッグトーナメントまで残り一ヶ月。
有限不実行っぷりが酷い…
隔週更新に戻します。
次回更新は2週間後の7/13の予定です。




