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夏休み直前 ~三日前~

最後まで見ていただけると光栄です。

ぜひ、読んで見てください。

 「幸せ」なんて 待ってるだけじゃ やってこない。

 「不幸」なんて 待ってるだけで  やってくるのに。


 何をすれば? 何をやれば? どこへ行けば? どう動けば?

               やってくるっていうの・・・?


 分からない 分からないよ

 数学の宿題は 答えがでるのに  

 「幸せ」という課題だけは 答えがでないよ


 お願い どうか どうか 少しの時間トキだけでも

    もう少し もう少しだけ

 「幸せ」を考えさせて下さい。

 

 それが 私の幸せだから。

 そして・・・・・・。



 





 「こーちょーせーせんっ!見てぇー!」

 「何かな?おっ!四つ葉のクローバーだねっ!」

 大きな手の平は、私の頭を三回、ぽふんとのせる。

 「よつぅば?なにちょれぇ?」

 「よ・つ・ば・の!クロー・バー!」

 両手で、四つの葉を見せながら言う。」

 「よーつばっの!クローバァ!」

 「そうそう!言えたね~!」

 「えへへ!」

 大きな手の平は、私の頭の上にとどまる。

 「えらいね~!」

 そして、左右へ何回か揺れる。

 顔も、手の平と同じ方向へ揺れる。


 幼い頃の私の記憶。幸せだった頃の記憶。わずかな希望だった。




 「おはよーございまーっす!」

 「おはようっ!入学おめでとう!」

 「元気が良くて、大変嬉しいです!」

 「キャハハハっ!」

 黒いスーツ姿の女の教師は、左にマイクを持ち替える。

 「さて、いよいよ小学1年生!立派なお兄ちゃん・お姉ちゃんを目指して頑張りましょーっう!」

 「ハァーイ!」

 私や他の人達も、手を挙げ、元気に返事する。

  (ガシャーーーッッン)

 「キャーーー!!」

 入ってきたのは、包丁を持ち、藍色のフード付きパーカーをかぶり、黒い眼鏡と、白いマスク。

 茶色い手袋にズボン。

 「手をだすっっ?!がはぁっ!!!」

 「お母さん・・・?!」

  

 最悪な小学校入学式。この日、母は・・・。

 最愛の母は・・・。


 



 「入学おめでとう。大人への一歩一歩を大切に学習していきましょう。」

 「はいっ。」

 黒いスーツをピシっときめているため、お腹がだるまのように膨らんだ校長先生。

 「本校の校訓は、『健康継続・良い学校環境・心は広く』の三つです。それを約束し、

  楽しく学校生活を送ってください。」

 「はいっ。」

 「以上。」

 「ありがとうございました。終わりの言葉。」

 こうして、無事、中学への入学はできた。

 何も起こらず、時間トキは、過ぎて過ぎて。


 ただ今、3年1学期。友達、計4名。ほどよい信頼関係を保っている。

 趣味は、読書と、絵を描く事と、音楽を聴くこと。

 好きな人、0名。嫌いな人、1名。

 得意なこと、嘘をつく事。苦手な事、感情表現、感情コントロール。

 

 あと三日で夏休みだというのに、六時間授業は衰えない。

 おまけに、宿題も、去年の2倍だ。おそらく、受験対策プリントも、含まれているのだろう。

 と、それよりも、今の状況を話さねば。


 「夏休み前だけど、転校生が来ました!」

 みんなは、ザワザワと言い出す。それもそうだろう。

 何も、夏休み直前に来ることはないだろう。夏休みの何をたくらんで、来ると言うのだ?

 「はじめまして、端又 粗目です。」

 はじめまして、砂糖さん。強烈な名を、どうも。

 「・・・・・・」

 砂糖は、教室をぐるりと見ると、私で止まった。

 「っ?!」

 私は慌てて、窓の外を見続けた。

 なぜか直感した。この人と関わると、自分は死んでしまう。

 簡潔に言うならば、自分が自分ではなくなる。と、そんなわけで、関わりたくない。

 「じゃあ、開いてる席についてね。」

 先生は、わくわくして、開いた席を指差したのだが。

 なぜこうも、一直線上で見れる位置になるのだ?

 さすがの私も、これでは、相手に悪いと思い、思いきって、チラッと見る。

 思った通り、バチッと目が合う。

 私は、そらしたい気持ちを抑えて、見ていたが、相手が耐えられなくなったようだ。

 「じゃあ、学校案内を・・・」

 と、言いかけると、私の左の少女が手を挙げる。

 「じゃ、鍬薔薇くわばら 内著ないちょうさん。よろしくね!」

 「あの。みのるも、一緒でもいいですか?」

 「どうぞっ!」

 そして、チャイムは鳴り響く。私の頭の中に。

 『キーン実もコーン一緒カーンでいいコーンですか?

  キーンどうぞコーンカーンコーン』

 実。それは、音坂ねざか みのる。実は、私自身なのだ。

 ほどよい信頼関係の先に、道連れという、試練もあったのか。

 うっかりしていた。内著が新しい物(者)好きという事に。

 私は、嫌とも言えず、一礼。

 「ありがとうございました。」

 はいっ。トイレに行くフリを・・・。

 「み~のるっ!粗目君の所に行くよっ!」

 「いや、私は。」

 「何?逃げる気?」

 「ト・・・トイレだよ。」

 「じゃぁ、待ってるから、行っておいでよ。」

 「え・・・いや、長いから。」

 「え。う○○?」

 「いやいやいやっ。」

 「何?そんなに我慢してたっ?」

 「いやいやいやっ(×2)」

 「何なの?用は、関わりたくない。と?」

 冷や汗をかいて、目線を他にやる。

 「だめだよっ!逃がさないからっ!」

 「っひぇっ??」

 私の腕をがっしりつかんで、砂糖の所へ。

 「ひぇっ!ひぇーっ!ひぃーーっ!!」

 「『ひ』ばかり言って!どうって事ないでしょっ!」

 「~~~~~(泣)」

 半泣き状態+引きずられる体勢=仕方ない。行くしかない。

 私の頭の中をよぎる計算だ。


 そして、とうとう、目の前に来た。これから、一時間案内とか、本当に嫌です。

 本校に、転校生が来た場合、転校生が分かるまで、案内する必要がある。=広いって事。

 そのため、一時間みっちり、時間をもらえるのだが。それならば、学校の夏休み宿題をとじたいです。

 「こんにちはっ!粗目君っ!」

 「こんにちはっ!」

 「・・・」 

 内著と砂糖のやり取りを、内著の後ろで見ていると。

 内著が気づいたらしく、目線を私に移す。

 「・・・(汗)」

 「こちらは?」

 砂糖は、おまけのように聞いてくる。

 「あ。えと。あはっ!(汗)」

 内著は、ひじで私をつつく。

 「音坂 実・・・です。」

 「・・・。えっと、男??でも、スカートから見ると・・・」

 音坂 実-スカート=男子。と。

 言いたいのですね。砂糖君よ。

 あって間もない女子の私に、なぜ、そんな事言わなきゃならないんだ

 「一度、死にたいのか??」

 「あーーーーーーっ!!あははっ!(汗)」

 内著は、「あ」の言葉で、私の言葉を打ち消す。

 「行こっかぁ??(汗)」

 「うん。実ちゃんも行くの??」

 「ちゃんーっ?!!」

 いや、実に不愉快だ。いまどきの男子が、女子を「ちゃん」付けで呼ぶとは。

 私の背中に虫唾が走る。

 

 「い・・・行くぞっ!!」

 『・・・。』

 内著は、ずんずん行く私を見ながら言う。

 「実。時計回りで行くよ?」

 「・・・。あー、そうですかっ。」

 赤面した顔を前髪で隠しながら、振り返って歩く。


 二人は、苦笑しながら、私の後ろを歩く。

 くそっ。とんだ、恥さらしだ。案内なんて、一人でやってくれよ。

 てか、先生がやれよ。なんで、生徒にさせるんだよ。

 早く、分かってもらえる方法な・・・。ある。あるぞっ!

 案内書のある場所=学校の事を一番知る人物+部屋。

 つまり、校長室に行き、案内書を貰って渡せばいいのか!

 「内著っ!」

 「っ??」

 「・・・?」

 「校長室行くぞっ!」

 「へぁっ??」

 「うぉっ?!」

 二人の腕をつかんで、小走りする。



最後まで見ていただき、ありがとうございます。

この作品は、連載ですので、載せたときは、ぜひ、見てください。

m(  ;)m宜しくお願い致します。

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