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第4話

「城下町だぁぁぁぁぁ!!」


「って」


あれ?


「え?ここって城下町…?」


「はい、城下町です」


 見渡す先にあるのは土煙の舞うボロボロの家にボロボロの服を着た人達。


「とりあえず、行きましょう」


「え、あ、はい」


 俺はとりあえずメイドさんの後ろを付いていった。


 「あの、これっていったい…」


「そうですね、ご説明いたしましょう」


「お願いします」


「立ち話もなんですので、適当な所にすわりましょう」


「はい」


 メイドさんの後を着いていき、入ったのは木の板の壁に木の板の床のカフェのような居酒屋のようなよくわからないような所だった。

 食べ物屋だとは思うけど…。

 え?なんでわかるのかって?そりゃあ、看板におもいっきり串肉って書いてあるからだ。

 串肉って焼き鳥のことだよな?お客さんはポツリポツリといた。

でも、そこに漂う雰囲気はワイワイと楽しく喋るような雰囲気ではなく、『疲れた』。そんな雰囲気が漂っていた。


「あの、ここは?」


「私がまだ小さかったころはこんなんじゃなかったんですけどね…。」


「え?」


「とりあえず、すわりましょう?」


「あ、はい」


 俺たちは座席に腰をおろした。


「久しぶりだね、ルアちゃん」


「お久しぶりです。」


 俺の目の前にいるメイドさんに話しかけたのはこの店の店主らしき人だった。

 そして俺は信じられないものを目にしてしまった。


 そう、何があっても表情を変えることのなかったあのメイドさんが笑っていたのだ!

 メイドさんと店主らしき人が話しているのを口をポカーンと開けて俺は見ていた。


「あ、あの…」


 俺が声をかけるとまた無表情に戻る。


「何でしょうか?」


「えっと、あの、話しを…」


「そうでしたね。」


 そう言ってメイドさんは姿勢を戻し俺のほうを向く。

 それに気付いたのか店主は


「それじゃあね。」


 と言ってカウンターの奥に入っていった。

 メイドさんは笑顔でお辞儀をして、こちらに向き直った。


「それでは、簡単に説明いたしますね。」


「はい。」


「まず、数年前までは、この国は前国王によって統制されていました、その頃は良かったのです」


「そうなんですか?」


「はい、その頃は皆が生き生きと暮らしていました。きっと、あなたの想像していた城下町のように」


「へぇ~」


「しかし、ある日急に前国王が病にかかってしまったんです。そこからはあっと言う間でした、前国王は病によって亡くなりました。国民は国王の死に深く悲しみました 前国王は国民に愛されていたのです 国王が亡くなり、次期国王が選ばれました。それがあの人です」


「前国王に子供がいるってことは、奥さんがいるってことだよな? こういう場合って奥さんが政治やったりしないのか?」


「国王陛下の奥様は陛下がお亡くなりになるより前に病で亡くなってしまっていたんです」


「でも、だからって別にあいつが国王やんなくったって、あいつの兄弟とかがやればよかったんじゃ?」


「前国王妃様の間には子供が1人しかいなかったのです。。それで、あの方が国王になったんです。確か、その時国王陛下は18歳でした」


「それって若いんですか?」


「そうですね、国王になるには少し若いですね。今の国王は、自分が国王の座についたと同時に国民への税を上げました」


「どれぐらい上がったんですか?」


「そうですね、簡単に言えば100キルの物を買うと170キルになる、って感じですかね」


「消費税率たけぇ~」


 (この国の単価は円じゃなくてキルなんだな。一円てか十円とか同じだといいんだけど… 金貨とか銀貨とか銅貨とかだったら俺わかんねえよ…)


「税は高いのに、とくに国から補助があるわけではありません。前に比べ、国からの補助はなくなりしたね」


「税は高いくせに何もしてくれないって…」


(あいつどんだけ最悪なんだよ…)

「おかげで国民も自分が生きていくのに精一杯で、自分の子供を奴隷商に売る親もでてきたんです。」


「奴隷商って…」


「それぐらい、税が重かったんです。」


「誰か城に文句を言いに行く人っていなかったんですか?」


「もちろん、いましたよ」


「じゃあ…」


「でも、誰1人として戻ってきませんでした」


「え?」


「その人たちが王宮に行って数週間後に王宮から手紙が届きました」


「な、内容は…?」


 内容は、と聞きながらその手紙の内容が予想できてしまうから嫌だ。

 外れていてくれるとありがたい。


「『王宮に来た者たちは不幸な事故によりお亡くなりになられました。』と、手紙にはつづられていたと思います。私もその時は小さかったのでよく覚えてないんです」


「そうなんですか…」


 予想、的中。一言一句外れず、というわけではないが内容はだいたい同じだった。


「その中に、私の父もいたんです」


「えっ?」


 ポソッと呟かれたメイドさんの言葉に驚く


「いえ、なんでもないです。気にしないでください」


「そう、ですか」


 気にしないでくださいと言われたけど正直無理だ!

 気になって気になってしょうがない!


「えっと、その後誰か城に行った人っているんですか?」


「いえ、いませんでした。皆、死ぬのは怖いんですよ、生きていることが死ぬより辛くても、死ねないんです」


「それで、今のような状態に…?」


「はい。職業を失い路頭に迷った人も沢山いました。今でも結構な人数がいます。私は運良く王宮のメイドになれましたけど…」


「え~っと、メイドさんにご兄弟とかは?」

「ルアで結構ですよ」


 クスッとメイドさんことルアさんが笑う。


(おおっ!あの無表情なメイドさんが俺に笑顔おっ!!)


 心の内を必死に隠しつつもう一度同じ質問をする。


「ルアさんにご兄弟とかはいるんですか?」


「妹が1人…。あと母が」


「今、妹さんとお母さんは二人で?」


「はい。妹はまだ働ける歳じゃないし、母は体が少し不自由で、私がお給料を送っているんです。」


「そうなんですか…」


 あいつ、魔物とか魔王とか言ってたけど、そんなんより国民にとっちゃ国王が魔王なんじゃ…。

 ついつい思わずにはいられない。


「よしっ!俺、決めました!」


「急にどうしたんですか?」


 突然席を立ち握りこぶしを掲げる俺を目を丸くして見上げるルアさん。


「俺、魔王を倒しに行きます!」


 国王と言う名の魔王を!


「魔王って…?」


 首を傾げてルアさんが聞いてくる。

 ま、そりゃそうだよな。急に魔王倒しに行きます!とか言われても驚くよ。俺なら厨二病かと思っ……


「俺、厨二病患者じゃないですよ!?」


「ちゅう…、なんですか?それ」


「いや、知らないんならいいんです!ハハハハハ…」


 セーフ! だよな…?

 俺の名誉の為にも言っておく。

 俺は、厨二病ではない!

 そして、関係ないがぼっちでもない!こともないかもしれない…。

 それだけはわかっておいてくれ!


 なんか、変な所で区切っちゃってすいません(^_^;)


 長くなる気がするなー。と思いまして、一旦切らせていただきました(^。^;)


 近い内に更新できれば更新します!(`・ω・´)

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