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第1話
「お前が勇者か?突然だがこの国を救え。」
なぜ、こうなった…―――
俺はその日も普通に学校に行き、帰ったはずだ。
俺こと桐島優生は、飛び抜けて頭がいいわけでもなく、運動神経がいいわけでもない。
ましてや金持ちの家の息子。なんて事もない。
特に友達を作る事もなく、日陰の存在として生きてきた。
そして、真面目でも不真面目でもなく特に人々の印象に残る事もなく、日々を淡々と過ごしていたはず。
なのに、なのに、なぜ、こうなった!!!!
「おい!聞いておるのか!!」
どうやら俺は、異世界トリップというものをしてしまったらしい。