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Re:メール。+2

作者: 宇佐美

これは前作Re:メール。のちょっとした続編です。もし前作を読んでない方は、そちらを読んでから+2を読んでいただければ楽しんでいただけると思います。


クスクス

「ちょっとぉ〜鍵かけなくていいの?」

「大丈夫だって。眞澄は水泳部の夏合宿だし。誰も入ってこないって」

ガチャッ

『…』

部屋には、誰も入ってこないと宣言した矢先の侵入者。

「…ぁ。」

「ぁ?」

「「「ばかぁぁぁーー」」」

「おい。バカって何だよ!彩!」

侵入者は前作『Re:メール。』でお馴染み、双子と幼なじみの彩。

「あ〜…シラケちゃったから帰るわ」

「えっ、あっ、ちょっ」

あとに残されたのは半脱ぎ状態の双子の兄・朔眞ただ一人。

「何やってんだ…俺」

「ほんとにさ〜」

「何だよ。眞澄かよっ!」

「忘れ物取りにきたんだけど」

カチャッ

「見た?」

「ばっちし!」

「ほら俺って、女たちがほっとかないっーか」

聞きあきた言い訳をする朔眞に弟の眞澄は一喝する。

「アホッ!少しは彩の気持ち考えろって」

「…」

堪忍袋の緒が切れる思いをした事件の次の日。

眞澄が体育着の白いTシャツに身を包んだ彩を見つけて、声をかける。

「彩、次体育?」

「あっ、まー。おはよ!この暑い中バスケだって〜」

「そしたら、少しはやせんじゃね?」

「あ〜ら、近づかないで下さるぅ?襲われちゃ、たまんないから!」

「かわいくねぇー」

眞澄はこっそりと『似た者同士の子供か?』と思ってしまった。

その言葉は飲み込み仲裁に入ろうとするが、思わぬ出来事がこの後起こる。

「はいはい。そこま…」

「あの!高橋さんだよね?」

高橋、とは彩の名字である。

普段親しい人たちからは、『彩』と呼ばれていたので名字で呼ばれた事に少し戸惑ってしまう。

「ぅ、はい?」

「僕隣のクラスの准っていいます。実は前からいいなって思ってて、付き合ってほしいんだけど」

『えーー!?』

突然の告白。

あまりに突拍子もない出来事のため、返事は後日改めてという事になった。

約束したデートの日に。

「だってさ。どーすんの?」

「どーすんのって…別にどうも」

「んじゃ、彩はとられてもいいんだ?」

「俺にはカンケーない」

「朔眞…おまえ一度でいいから本気になってみろよ。彩が好きなんだろ」

「ダメだ。できない」

「どうして?」

「俺みたいな奴より、あの准って奴の方があいつを…彩を幸せにする。こんなダメな男よりな」

誰にも負けない!という、いつもの強い瞳が揺らぐ。

「俺は何のために身を引いたんだよ。彩はおまえが好きって知ったから…」

そこまで言って思わず、言葉を呑む。

眞澄は意を決して、続ける。

「自分の気持ちから、彩のおまえへの気持ちから、逃げてるだけだろ!そんなの、ただの負け犬じゃないか!」

朔眞は逃げるように走って行ってしまった。

「あっ!さく!」

その日朔眞は家に姿を見せなかった。

『で、彩はどーすんの?』

眞澄は電話越しに准とのデートについて聞いてみる。

『ぅん〜デートには行くよ』

『そっ』『まーそれより、さくは?まだ帰ってこないの?』

『うん』

『早く仲直りしなよ〜二人がケンカって珍しいね』

そう朔眞が帰ってこない理由を眞澄は『ケンカ』にしていた。

早いもので、約束通り今日は准とのデート。

「ごめんなさい。待った?」

「いや大丈夫だよ」

准は彩よりも早く待ち合わせ場所に来ていた。

「…ハハッ」

「?」

「あっ、ごめっ…」

朔眞との約束では、いつも待たされ役の彩。それが今日は逆の立場なので、おかしくて吹き出してしまう。

「順調、順調♪あとは…」

この声は…何かを企む、眞澄。

どうやら、こっそり後を付けるようだ。

「…だよねぇ」

「うん、うん。アハハ」

「あっ、アイス食べよ!」

「どれにする?買ってくるよ」

「えっ、いーよ!…フフッ」

「?」

「あっ、ごめんなさい」

「…ぅ、ううん。いいけど」

准は彩にストロベリーアイス2段重ね、自分にはチョコアイス1段を買ってきた。

「はい」

「ありがとう」

「ん。それより…さっきから笑ってるけど」

「あっ!イヤな思いさせちゃったら、ごめんなさい」

「いや。大丈夫だけど…どうして笑ってるか、聞いてもいい?」

「ぅ〜…これって、思い出し笑い」

「思い出し笑い?」

「うん。双子と…さく、あっ朔眞ね。なんかと待ち合わせすると、必ず遅れてくるし。アイスなんて、自分の食べる分しか買ってこないし」

「マジ?」

「しかも…女の人と…遊っ…ぅ゛っ」

彩はポロポロと涙をこぼし始める。

ストロベリーアイスを半分、1段目を食べ終わったところでの出来事。

「たっ、高橋さん!どうしたの!?」

「それに…淋しくて泣いている時は、傍にいてくれた…ぅ゛っぅっ゛」

ボカッ

ぽとり

アイスが落ちた。

アイスが落ちる前に准が殴られた。

「何泣かせてんだよ!」

「あいてててぇ〜」

「わっ!…さく?何でここに?」

朔眞の突然の登場に驚いて、彩は涙が止まった。

「彩…こいつが好きか?」

「え?」

「誰が好きだっていい。俺はおまえが…おまえが好きだ!!」

「ばかぁ…ぅっ。『おまえ』とかゆーなよ…あたしは、ずっと昔から好きだったんだから」

朔眞はもう一度泣き出しそうな彩の震える肩を力強く抱きしめる。

「ぅっ…ぅわーん」

彩は大声で、ついに泣き出した。

そこに聞こえてきたのは、リズムのある拍手。

パチパチパチ

『?』

「いや〜まとまってくれて、よかったよ」

『眞澄!』

「眞澄…後で殴らせろよ」

「悪い悪い」

眞澄は、殴られて尻餅をついている准に手を差し出す。

「よいしょっ。俺の演技って、どうよ?」

「演技!?まー、どーゆー事?」

「だって、こーでもしないと、朔眞自分の気持ちに素直になんないじゃん」

「くそー後で殴らせろよ!」

これは眞澄によって仕組まれた恋愛。

「お互いに好きなのに付き合わないって、おかしいじゃん?それに…さく!!」

「ん?」

「おまえの女グセをどーにかしたかった。でも…それには、理由があったんだろ?」

「ぁあ」

「えっ何?」

「ぁ〜…おまえに、彩にいつも優しくできなくてもどかしかったってか…一緒にいても照れるっていうか」

「あ〜それ、分かるなぁ〜好きな女の子いじめちゃうってやつ」

「でも、もう小学生じゃないんだから、それじゃダメなのは分かってた?」

「ぁあ、そうだな…ありがと」

恋愛って時には周りの応援を受けて、実るものなんです。

恋愛って時には突然実っちゃったりするんです。

必要なものは、互いの好意と素直な気持ち。


こんにちは。若しくは、初めまして。宇佐美です☆

今回「Re:メール。+2」は6作品目となります。前々から続編は書きたいと思ってましたので、今回は執筆できて楽しかったです(^_^)v

が…楽しんでいただけましたか?それだけが心配でなりません(^o^;)

是非、感想をいただければ幸いです♪♪

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― 新着の感想 ―
[一言] 本篇も含めて、とても面白かったです。 話の題材、ストーリー、意外性のある展開、登場人物のキャラクター、どれを取っても申し分ないです。 ただ、小説としての格付けからすると、?マーク付きですね。…
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