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異世界に転移させられたのですけど、なんだかんだでエッチな事してごめんなさい【R15版】  作者: 立花 黒
第三章

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第96話、くすぐり地獄①

 洞窟から一歩出ると、俺たちがいる場所は山の中腹であった。

 また眼下には大きな湖がある。その大きさはドーム球場10個分くらいはあり、底の方の岩石がキラキラと青く発光しているようでここからでも透き通った水質である事が分かる。

 そしてその湖の淵に沿って、あの花を咲かせた状態のスライムの木が何十本と並んでいた。

 安堵の溜息が出る。良かった、足を引っ張らなくて。


 しかしここがボス部屋であり、ダンジョン内でスライムの木が育てられていると言うスライム畑か。

 ダンジョン内だから気候の変化は無く、枯れる事のない無限に生み出されると言われる水源。

 そして——


 湖の向こうに広がる平原の一番先、そこにはまるで壁のようにしてそびえ立つ、何か途轍もなく巨大な木が鎮座している。

 辺りが暗く遠すぎるため、実際にはどれくらいデカイのか正確には分かんないけど、これは山と表現してもなんらおかしくない規模の馬鹿でかいさであるのは間違いない。


 そこでソウルリストを確認する。

 やはりこの大木がダンジョンボス、神木(しんぼく)二面樹(にめんじゅ)であったか。

 しかしやっとここまで来たわけか。なんか、延々歩いていた気がするからね。

 よし、あとは接近して攻撃を開始するだけなんだけど、……これは攻撃が出来るところまでに行くのも一苦労だよね。


 しかも例えで山と表現したけど、それだけ巨大なモノをこれから攻撃して倒すだなんて、一昔前の米国産アクション映画で流行って使用されていた大量の火薬、その全てを使い切っても完全に吹き飛ばす事は無理なんじゃないだろうか?

 ボスを討伐するべく歩みを再開させた俺たちは、スライムの木が並ぶ広大な湖の淵に沿って進んで行く。その際スライムの木がどれも花を咲かせているのを再確認したのだけど、湖の中から怪しくライトアップされた形になっているため、お化け的ななにかが出そうな気がしないでもない。


 そして湖の次は広大な平原だ。平原と言っても草木は全く生えておらず、代わりにかなりの量の落ち葉だけがある不思議な場所でパッと見、茶色の絨毯がひいているような景色になっている。

 そこで目を凝らして見てみる。

 この一帯を過ぎると、どでかいボスの根が入り組んでいる地帯になり、その先にやっとボスが生えている場所になるわけだ。

 せめて根のところまでいかないと、アズの闇ツララも撃ったはいいけど届くまでに何十秒もかかるかもしれない。


「みなさん、おそらくここからは罠が仕掛けられています。間違っても落ち葉の下に隠れているツタを、踏んでしまわないよう注意されて下さい! 」


 クロさんのアドバイスを受け、俺たちは慎重に落ち葉を踏みしめて進んで行く。ただ一人を除いては。


「くすぐられるだけなんでしょ? なにをそんなに慎重になってるわけ? 」


 抜き足差し足で進む俺たちを、アズが指をさしながら鼻で笑った。

 そこで真琴が、ムッとした表情で睨みつける。


「……もしお前が絡め取られても、ボクは知らないからな」


「あははっ、私があんたなんかの世話になるわけないでしょ」


『ガサッ』


「……えっ? 」


 突如草木が揺れるような音がアズの周辺からし、アズの驚きの声が上がった。

 声をあげたアズに視線が集まる。見れば、その足首に一本のツタが巻きついていた。

 アズが言ってるそばから罠にかかったのだ!

 おっ、お約束すぎる。


「ちょっ! 」


 そして抗議の声を出すアズの脚が引っ張られ、まるでバナナの皮を踏んで滑ったかのようにしてステンッと転んだ。そしてそのまま引っ張られ、落ち葉の上をカサカサと滑り二面樹の方へと疾走していく。

 まー、これからされる攻撃は死ぬわけではないらしいので、ゆっくり見守ろうと思うけど——


「うがぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」


 ……万が一に備えて回復の準備はしておこう、かな。


「くっ、どぶぎゃっ」


 アズが脚をグッと伸ばし水上スキーのようにして立とうとしたみたいだけど、バランスを崩して盛大に顔面からずっこけた。それからも彼女は先程から滑りながらも体勢を変えようと試みているようだが、早いスピードで引っ張られているため落ち葉で滑って上手くいっていない。


「カサカサカサカサッ」


 なっ、今度はなんだ!?

 見れば滑るアズを中心に三方向から、カサカサ音を上げながら落ち葉の下を通り何かが迫っていっている。そしてアズの近くまで来て落ち葉から飛び出しその姿を現したのは、予想通りツタであった。


 新たに現れた三本のツタは、まだ巻きついていないアズの脚と両腕に巻きついていく。

 そこで引き摺られるのが止まったのだけど、手足の自由を完全に奪われてしまったアズは、両手をバンザイの状態でツタに持ち上げられ宙ぶらりんに。

 アズは手を引き拘束を外そうと試みるが、ツタはかなり頑丈なようで引き千切れない。


『ガサガサ』


 そこでまた落ち葉から音がしだした。そして音がアズの真下まで迫ると、その音がした付近の落ち葉から新たなツタがニュルッと顔を出す。そしてそのツタの先端から見える範囲全てに、小さな小さな葉が沢山付いていた。

 あれはたぶん、くすぐり用のツタだ!

 それはアズの目の前にまでくると、まるでそよ風に吹かれる枝葉のように暫くの間揺れた。そしておもむろに、ツタはくねくねとアズの顔へ伸び始める。


「きっ、気持ち悪いわね! 」


 どう見ても虚勢をはって悪態をついているアズに、そのツタが触れた。まずはすべすべ頬っぺたや小さなあごに、多くの葉を軽く触れさせているようだ。

 そこでアズの顔に自信が漲った。


「ほれみなさい、これぐらいのくぅっ、フゥひゃヒャヒャヒャッ」


 ツタがあごから首筋まで伸びていた。

 そしてそこからうなじを通り服の中へ侵入したツタは、背中の方へ。


「これっ、ちょっ……ひっ! 」


 くすぐりで背を仰け反らせてしまうアズの正面に、いつの間にか新たな二本のツタが。それらは各々アズの脇へとゆらゆら進む。

 その迫る脅威に気がついたアズは、腕を曲げ防ごうとするけど、縛られているため少ししか曲がらない。

 そしてやすやすと侵入を許した。


「ウソでくぅっ! ん——んぅ! んぅんぁっ! ひひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!! あひゃひゃひゃひひゃひゃひゃ」


 悶え苦しみ続けるアズ。そこで虚空にアズの闇ツララ、ではなく、割り箸くらいの小さなサイズの闇の棒が現れた。

 多分集中出来てないから、闇ツララがうまく作り上げれなかったんだろうけど……。


 でもいくら小さいとはいえ、攻撃しちゃったらダメなのでは!?


「女狐! それは! 」


 真琴も慌てるが、ここからでは間に合いそうにない!


「お任せ下さい」


 静かな声が闇夜に響いた。ヴィクトリアさんだ。

 そして次の瞬間には、その闇割り箸は突如出現した青い球体に包み込まれていく。それから青い球体は一瞬でしぼむようにして消えたのだけど、そこには既に闇割り箸も無くなっていた。


 今のって溶かしたとか別の空間に閉じ込めた、とかなんだろうけど、ヴィクトリアさん、人間になってもそんな凄い事が出来るんですね!

 でも取り敢えず助かったようだ。

 危機が去りみんなが安堵の表情を浮かべる。しかし一人、アズだけが泣き出しそうな顔でこちらを見つめていた。


「あぐっ、クッ、クロッ! 早く助けなヒャひゃヒャひャひゃひゃひゃひゃ! おへそ、おへぇうひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! 」


 そこで真琴が手を広げクロさんに待ったをかける。

 それを受けたクロさんは、眉間にしわを寄せ両の瞳を固く閉ざした。

 恐らくアズを助けたい気持ちをグッと押さえ込み耐えているのだろう。


「……お嬢様、申し訳ありません。10分間の辛抱です」


「ぎゃはははははははっ!! あひゃひゃっ! ぃぃぃいあひゃひゃっ! ひゃひゃひゃひひゃあひゃひひゃひゃあひゃはひゃひゃ!! 」


 そこで乱暴に、アズのブーツがツタに剥ぎ取られると、M字開脚の状態で尚且つ素足が前方へと突き出す形で固定され晒け出された。

 そして露わになった足裏、足の甲、指先、そして指と指の間全てに、筆のように細かな繊維が絡まった十数本もの細いツタが行ったり来たりと動きまくる。


「ひゃーひゃーんぐっ、はぁはぁはぁあぎっ、んんあひゃあああ!! ひゃヒャヒゃひゃひゃひゃひひゃ! 」

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― 新着の感想 ―
立花屋…、良い仕事をするではないか…。 しかし、このバカデカボス、なんだってこんな珍妙な生態してるんでしょうね。これだけ巨大なのに、やることが(奴から見れば)極小動物への擽りって…。 笑いエネルギ…
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