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異世界に転移させられたのですけど、なんだかんだでエッチな事してごめんなさい【R15版】  作者: 立花 黒
第二章

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第63話、湧き出る敵

 俺は視線の先、青白く唸っているトンネル内を駆ける真琴を見つめる。自身の周りに作り上げた白濁球を、いつでも飛ばせるように神経を尖らせながら。


 とそこで力なく下を向いていた青白い人型の化け物であるムーンレイカーたちが、一斉に顔を上げると無理やり縦に引き伸ばしたような顔をこちらへ見せながら走り出す。

 またそれらより早いスピードで這いずり回り、ムーンレイカーの脇をすり抜け迫るゴールドフィンガーの群れ。

 しかしドンドンとトンネル奥から湧き出てくるそれらは真琴の射程に入るたび、即ち真琴が攻撃を繰り出すたびに破壊され霧散していく。


 そこで真琴から離れた位置で、各々上下左右の壁を足場にして足を止めているムーンレイカーの一団から、青白い尾をひく線、矢が一斉に解き放たれた。


 しかし真琴の勢いは止まらない。


 すれ違いざまいくつも穴が空き消失するゴールドフィンガー。

 頭を消失した反動で倒れ込んだため、トンネルに吸収されるようにして消えるムーンレイカー。

 胸部に特大の穴が空き形を保てなくなり霧散するムーンレイカーに、上から下まで、真っ二つに裂けるゴールドフィンガー。

 真琴は上へ下へ矢を躱しながら、すれ違う敵を撃破し矢を放っている一団に近づいていく。

 そして近接武器に持ち替えたムーンレイカー達の一団をひと撫で、それこそ一瞬のうちに葬り去った。

 その後も壁を足場にしながら縦横無尽に動く真琴の前に、青白い一団は瞬く間に消滅させられていく。


 湧いて出てくる敵の数が減ってきたかな?

 そんな事を思っていると、明らかに場の空気が一変する。

 これって温度がさらに下がったよね?


『ギィイヤアァァァーア』


 続けてトンネルの奥底からこだまする、地鳴りのような、腹の底から震える程の叫び声。

 そしてトンネルの遥か先に、何かが見えた。

 そいつは瞬く間に、ぐねぐね動くトンネル内をこちらに向け猛スピードで迫ってきている!


 青白い、人の顔面!?

 まっ、まだ距離があるうちに確認するんだ!


『TYPE-004ポルターガイスト【ゴールデンアイ】』


 髪を後ろへ靡かせるそいつは、ギョロリとした大きな一対の瞳を並べていた。

 また人と言うより化け物と形容したほうが相応しい、まるで顎が外れ鼻がへしゃげる程に馬鹿でかく広げられている叫び声を撒き散らす口。

 そして顔面だけの存在であるそいつ自身も大きすぎた。

 トンネル一杯の大きさである顔面はゆうに三メートルは有りそうで、その大きさのため奴が通るトンネル部分が押し広げられて見える程。

 また時には回転しながら眼前のムーンレイカーやゴールドフィンガーを喰らいながらも進むゴールデンアイを前に、俺は真琴が怯んだのを見逃さなかった。

 しかしそれは瞬刻の事で、真琴は次の瞬間には奴に一撃をお見舞いするため腰を落とし腕を引き構えをとる。

 そうこうしている内に、奴があと少しで真琴の元へ!


「あっ! 」


 その光景に心臓が飛び跳ねる!

 真琴の後ろに二体のムーンレイカーが姿を現したのだ!

 突然挟み込まれる形になる真琴。

 真琴も背後の気配に気付いたのか、一瞬だけ身体を強張らせたが、もう間近に迫ったゴールデンアイを前に視線をそらせない。


「あははっ」


 声が聞こえた時には射出されていた。

 目の前にいるアズから放たれた闇ツララが、真琴の背後に迫っていたムーンレイカーの一体に大穴を開け、なおも進む!

 そして真琴の間合いに到達する寸前にまで近づいていたゴールデンアイの眉間に、闇ツララが深く、深く深く突き刺さる!


 ゴールデンアイはその両の目を中央に寄せることで、自身に突き刺さる闇ツララを瞳に映すと、断末魔をあげながら消失していった。

 そして渦巻くトンネルが、その存在を薄くしていく!

 これって、やばくない!?

 真琴がいる位置って、トンネルが無くなったら普通に壁の中だよね!?


「真琴、早く戻って来て! 」


 踵を返し残っていたムーンレイカーを撃破していた真琴が、その強靭な脚力で瞬く間に青白いトンネルから脱出。

 そして消えていくトンネルを背に、真琴はアズの前で砂埃を舞き上げながらピタリと動きを止める。


「……余計な真似を」


 そっぽを向きボソリと呟く真琴に対し、アズは真正面から真琴を見据えると小さな胸を張る。


「あははっ。ポイントのためなんだから、勘違いしないでよね」


 そして心なしかフラフラな真琴は、俺の胸に顔を埋めるようにして体重を預けてきた。

 俺はそんな真琴の頭をなでなでしながら白濁の液を操作し、疲労で傷んでいるであろう彼女の全身に回復液を染み込ませていった。


 そうそう、真琴が引いていた暖炉の中のレバー、アレは完全なダミーだったようで、今もジャラジャラと鎖の擦れる音だけを鳴らし続けている。

 またその件に関して、最初真琴はレバーを引いたから新しいルートが現れたのではと主張したのだったのだけど、眼鏡を操るヴィクトリアさんに『それはありません』と一刀両断。

 そのため真琴がアドバイスとかもしない約束だったのではとヴィクトリアさんに詰め寄り、それを受けたヴィクトリアさんがハッとした表情となり謝る、なんて一幕もあった。


 ちなみに一応鍵っぽいアイテムは、今の所荷物にならないと言うことで、クロさんのリュックの中に入れて貰う事になっていた。

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