表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元彼  作者: 紀本 真利亜
5/6

豆腐

 

 久しく通るこの道は、あの頃と何も変わらなかった。変わったのは私と隣で運転をする元彼の関係だけ。

 

 「そう言えば、あそこのアイスクリーム食べる?」

 何かを思い出したかのように元彼は言った。

 「豆腐のアイスクリーム?」


 私は、アイスが好きだからその記憶は覚えていた。


 「そう、良く覚えていたね、食べる?」

 「勿論食べる。おごってね」

 私はズルイから奢らせようとした。

 「はい、わかったよ」

 良し、今日はこれだけでも来たかいがあったと心の中で思っていた。

 

 そして、程なくして、国道沿いにある小さなアイスクリーム屋についたのだ。

 

 私たちは豆腐のアイスクリームを二つ買い、小さなベンチに腰をかけた。


 「やっぱり美味しいね、ここのアイス」

 一口食べてから元彼はそう言った。

 「チョー久しぶりに食べた。美味しい」

 私は、自然と笑顔が出ているのも知らずにそう答えていた。

 「俺もこれ、あの時以来」

 頬を赤らめて元彼は、そんな事を言った。顔が赤いのが気になった私は、

 「風邪引いてるの?」

 「うん?もしかしたら少し引いているかも」

 笑いながら元彼は、またアイスを口にした。

 「私にはうつさないでよ!」

 そう言って、私は少しだけ元彼から距離を置いた。

 

 時間にして言えば、ホンの三十分位で私たちはこの思い出の地となっていた、小さなアイスクリーム屋を後にし、また車を走らしたのだ。


 

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ