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元彼  作者: 紀本 真利亜
3/6

再会


 三十分後に、元彼は迎えに来てくれる事になった。

 

 私は、化粧をして着替えようとしたが、あっという間に三十分が経ち軽い化粧だけで終わってしまった。

 「まあ、ちょっと会って話すだけだから」と、思いつつ、ジャージー姿で家を出た。


 家の前には、遠い記憶の中にある見慣れた車が止まっていた。意外にもあの時みたいに自然にその元彼の車に乗ることができた。

 

 「本当にジャージーで来たんだね。うける」

 あの時と全然変わらないその姿には、正直ビックリしたのと、普通、第一声は「久しぶり」もしくは「綺麗になったね」だろって思ったりしたのだ。


 「で、なんなの?」

 「まあ、ちょっとドライブでもしようよ」

 元彼は、そう笑顔で言いながら、ウィンカーも出さずにアクセルを軽く踏んで車を動かした。

 

 「まだこの曲聴いているの?」

 車内に流れる、少し前のHIT曲。

 

 「別に良いでしょ、好きなんだから、俺の勝手でしょ」

 そんな事を言って、曲に合わせて歌詞を口ずさんだ。

 

 「またいつものが始まったよ」なんて思いながら私は、いつも見慣れている近所の流れる風景を眺めた。

 

 あの時みたいに、それを当たり前の様に聞き入る自分がそこにはいたのだ。

 

 

 少しの間、会話も無く元彼の歌だけを聴いていた。そして、不思議な事に訳の解らないままに元彼と一緒にいるのに、「何の為にここにいるのだろう」って思うことも無く、とても自然なままに。

 

 


 二人の車は、静かに家から遠ざかっていった。

 






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