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元彼  作者: 紀本 真利亜
1/6

着信


 とある、天気の良い平日の昼間。 


 「ブーッ、ブーッ…」


 テーブルに置いておいた、携帯のバイブが、主の私を何処ぞの誰かが呼んでいると告げる。

 休日でお気に入りのテレビを見ていた私は、CMになるまで気づかないフリをした。心の中では、きっと職場からだろう、と思っていたのだ。

 休日の職場からの電話程、嫌な相手はいない。恋人のいなかった私には、電話の相手が職場である可能性が高かったのだ。


 「あー、ウザイ」

 そんな言葉を呟きながら、携帯を開いた。

 

 唾を軽く飲み込む自分がいた。身の覚えのある下四桁の番号。元彼からの着信である事はすぐに解った。


 約三年振りの連絡。

 

 掛け直そうか悩む。いつの間にかCMが終わっていた事にも気づかなかった。テレビの笑い声も微かに聞こえてはいたが、もう興味はそっちには無かった。

 

 「何だろう?」

 最近は、独り言もお手のモノになっていた。一人暮らしの私にとって、それは普通の事だ。

 時間にすれば、きっと2、3分の出来事であろう。でも、その間に色んな事を考えたのだ。「結婚することになった」、「よりを戻そう」、「元気?」、とか。

 「結婚する事になった」は、わざわざ私に報告する事は無い。とか、そんな類の妄想などを考えたのだ。

 

 冷蔵庫から、冷たい麦茶をコップに注ぎ、半分位飲み干してから私は、着信履歴の一番上にある番号に通話ボタンを押した。

 

 

 

 

 

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