9話ー頭が玉へ
外人「お前はもう一人の女を捕まえにいけ」
運転手「はっ」
鯷球「いかせねぇよ」ヒュッと目の前をナイフが通り過ぎる。
外人「あなたの相手は私ですよ」
鯷球「武器は卑怯じゃないか?」
外人「忍者相手には卑怯も何もないでしょう?」
鯷球「確かに、言われるとそうだな」
外人「聞き分けがいいんですね?」
鯷球「ああ、過剰防衛にならないと思ってな」
落ちている角材を拾い、立ちはだかる。
外人「忍者の次は武士にでもなったつもりですか?」
鯷球「武士っていうにはちょっと違うかな」角材を両手にもつ。
外人「いつの間に二つ?」
鯷球「お前が知ってるような言葉で言うとマジックってやつさ」
外人「ほう、これは面白い。早速種明かしをしてもらいましょうか」
鯷球「種明かしをしたらマジックは面白くないだろう?」
角材にどんどんナイフが突き刺さる。
鯷球「お前もマジシャンか?ナイフ何本持ってるんだ?」
外人「いえ、私はしがない一人ですよ」
鯷球「そうか、それじゃナイフが無限に出てくるってわけじゃないんだな」
外人「いえ、私の時間は終わりです」
鯷球は目を移す。いまだに5人はまともに立ててない。
茜の方も無事だ。
外人「口は禍いの元ですよ」耳元で声が聞こえる。
鯷球「しまった…」
外人のナイフが腹に刺さる。
鯷球はふらつきながら下がる。
外人「戦っているときによそ見は良くないですよ。それこそ命取りだ」
鯷球に歩み寄ってくる。
鯷球「まさかこんなことになるなんてよ…」
外人「それではさようなら」ナイフを大きく振りかぶる。すると鯷球が急に動き出す。
外人の玉を鯷球の頭が直撃。これは途轍もない悶絶ものである。
鯷球「ばっかだなぁお前、危ないと思ってるのに何も持ってこないと思うか?」シャツを捲り本を出す。
鯷球「形勢逆転、人は勝ちを確信した時こそ、無防備になるのさ」
そのあとは外人に金的をひたすら蹴ると言う最悪な攻撃が始まった。