12話ーしっぽりと
鯷球「茜ちゃん、爆睡じゃん」夜道を茜を背負って歩く。
葵「そりゃそうでしょ、あんなに怖い目に遭ったんだから」
鯷球「そうだよなぁ、あれは怖いよなぁ」
葵「茜はいっつも強がりいうけど、一番怖がりなんだよ。珠ちゃんと別れたあとすごい泣いてたんだから」
鯷球「もうちょっと早く電話に気づいていればよかったな…」
葵「しょうがないよ、時も運でしょ。結果助けてくれたからオーライね」
鯷球「そう言ってもらえると心も休まるよ」
葵「球ちゃんだって、万能じゃないもんね」
鯷球「そうだな…。そういえば茜ちゃんの家入れなくないか?」
葵「今日は私の家に泊めちゃう。そのあと着替えて警察行ってくるよ」
鯷球「俺も明日警察に用があるから一緒に着いて行こっか」
葵「すごく安心できるかも」家につき、鍵を開ける。まだ両親は帰ってきていないようだ
鯷球「それじゃ明日10時ごろ公園で待ち合わせにするか」
葵「そうだね、そうしてくれると茜も一旦家に帰って着替えとかもできるかも」
鯷球「じゃ、それで」
葵「球ちゃん今日はありがとうね。本当に」
鯷球「茜ちゃんみたいに早く寝るんだぞ、お肌に悪いからな」
葵「そういうの余計なお世話っていうの!」
鯷球「それだけ元気なら大丈夫そうだな。また明日」
葵「うん」
―
葵「茜、球ちゃんの背中はどうだった?」
茜「大きかった」寝ながら目を腕で隠す。
葵「寝たふりするなんて大胆だねぇ」
茜「球ちゃんは私たちのことそんな目では見ないよ。実際途中は眠ってたし」
葵「球ちゃんの料理おいしかったね」
茜「そうだね」
葵「今日は一緒に寝ようか」
茜「うん」
―
鯷球「全く、おっちゃんも精が出るねぇ」
おっちゃん「どうだ?これから一杯」
鯷球「おっちゃんの奢り?」
おっちゃん「お前のだろ、何ほんと一杯だけさ」
鯷球「カップ酒な」 おっちゃん「いいねぇ。しっぽりと月見酒と行こうか」