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65.器用なやつ



 俺たちは妖精郷アルフヘイムと呼ばれる場所へとやってきている。

 帝国が立ち入りを禁じているのも、まあ、うなずけた。


 周りには巨大なムシがうじゃうじゃといる。そのうえ、空気中には毒ガス的なものまで漂っているのだ。


 一般人が間違って入ってしまったら、まあ、直ぐに死んでしまうだろう。ガスを吸って死ぬか、虫に食われて死ぬか。


 けれど。


「瘴気のなかを普通に進めておる……おかしいのじゃ」


 足下を歩く、カーミラがそういう。


「何かおかしなことでもあるか?」

「あるのじゃ! だってここらは瘴気で満ちているのじゃぞ!? なのに、どうしてわらわたちは平気なのじゃ!」


「どうしてって……そりゃ結界張ってるからさ」

「だとしてもおかしい。ガスが入って来れん結界を張ってるのに、我等はどうして無事なのじゃ? ガスが侵入できないということはつまり、空気が入って来れないということじゃろう?」


 ああ、なるほど。空気が入って来れないなら、俺窒息死してしまうっておもってるわけか。


「甘いな」

「なにいぃ?」


 一方で、エバーグリーンが言う。


「すごいです。空中の有害な物質だけを、結界が選択しております」


 まあ、そういうこと。

 こうすることで、空気は出入り自由となり、俺たちは結界内でも生きてられるって寸法よ。

「な、なるほど……器用なやつじゃの」

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