表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

37/68

37.ソーラと九天



 九天。

 牙狩りのなかで、上位の強さを持つものたち。


 シアンもまた、そこに属してる。


 九天たちが集まってるのは、とある館の中。

 集まる9人の男女たち。


 そこへ……


 がちゃっ。


「待たせたな、おまえたち」


 かわいらしい少女が部屋の中に入ってくる。

 年齢は10代に、届くかどうかだろう。


 九天たちは立ち上がり、すっ……と頭を下げる。


「おひさしぶりです、【ソーラ】様」


 ソーラと呼ばれた少女は、九天達を見渡す。

 彼女はどこか、達観したような目をしていた。かわいらしい見た目をしては居るものの、その中身は、見た目から感じられる年齢以上のものがある。


「レッド、それに皆も。久しぶりだな。息災でなによりだ」

「ハッ……!」


 背中に【火】と書かれた半纏を羽織る男……レッド。

 先ほどシアンを馬鹿にしていたものと、同一人物とは思えないほど、ソーラに対して礼儀正しい態度を取っていた。


 それに対して、シアンは特に何も言わない。


 ソーラが腰を下ろし、九天たちを見渡す。


「今日集まってもらったのは他でもない。シアンの報告にあった、結界師についてだ。シアン、改めて教えて欲しい」


 シアンがうなずく。


「ゲータ・ニィガ王国の草原にて、私はオカシナ結界術を使う男と出会いました」


 オカシナ結界術を使う男とは、無論、リクトのことだ。

 シアンはリクトとの戦闘を詳細に語る。

 そして……。


「結界師リクトは、人外を引き連れておりました。少なくとも……2体【以上】」


 ざわ……と九天たちが反応を見せる。


「どういうことだ、てめえ!」


 レッドがシアンをにらみつける。


「レッド、少し黙れ」

「ハッ……!」


 ソーラに言われ、レッドは口を閉じる。

 だがその表情には、怒りの色がアリアリと見えた。

 ソーラに対する不満ではなく、シアンに対する……である。


「シアン。2体以上というのは?」

「まず、やつは吸血鬼、しかも、上位の吸血鬼を使役しておりました。影の中に隠してはいましたが」


「なるほど……それと?」

「人間の女に擬態した、人外が1体。おそらく、こちらは天の者かと」

「天使か……ふむ……」


 これはフレアのことだ。

 そして……。


「そのほかに、彼は自分の中に、何体か人外を封じております」


 ……この場にいる全員、そして、フレアやカーミラすら知らないこと。


 リクトの体に、他にも人外が居ると言うこと。

 これはリクト、そして彼の師匠しか知らぬことだ。


「結界師の中にいる、人外とは?」

「……わかりません。」


「わからない?」


 ソーラが首をかしげる。

 シアンは、ハッキリ言う。


「はい。わからないのです。それは、結界師の体の奥に、何重にも結界がほどこされ、封印されております。結界師は、その封印されてる化け物を、使わずとも……強い」


 だが。


「封印されてるそれを使えば、もっと強い……か」

「はい」


 ソーラが黙り、考える。

 スッ……と九天のひとりが手を上げる。

「あのぉ~……」


 緑髪をした、お嬢さま風の女が手を上げる。

 背中には、【木】と書いてある。


「どうした、【エバーグリーン】?」


 エバーグリーンと呼ばれた女は、にこりと笑う。


「九天全員で、その化け物、殺しちゃうのは、どうですかぁ~?」

【★大切なお知らせ】


好評につき、連載版をスタートしました!


『【連載版】おばさん聖女、隣国で継母となる〜偽の聖女と追放された、私の方が本物だと今更気づいて土下座されても遅い。可愛い義理の息子と、イケメン皇帝から溺愛されてるので〜』


広告下↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!


リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n2184ix/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ