26.将来
《リクトSide》
天秤のリブラを葬り去ったあと、ギルドにことの顛末を話した。
と言っても、不死の化け物だったことは伏せておいた。
不死者をどう倒したのか、と色々言及されるととても面倒だ。
どうしたって、封印術(※フレア)のことに触れないといけないからな。
ゾンビの発生を食い止めた、くらいにしておいた。
ギルドからはものすごい報酬をもらうことに成功。
良かった。
これでフレアに美味いメシ、高い宿屋に泊めさせることが出来るぞっ。
報告を終えた俺はフレアの待つ宿屋へと向かう。
「あ、リク! おかえり~」
ああ……フレアの笑顔が、労働の疲れを癒やしてくれる。
『労働って……ほぼ瞬殺ではなかったか……?』
カーミラが陰の中から、俺にしか聞こえない声で話しかけてくる。
まあ確かに疲れるほどの労働かっていわれたら、そうじゃあないけどな。
『上位吸血鬼との戦いですら余裕があるとは……ううむ、すごい。果たしてどんな相手なら我が主は苦戦するのだろうか?』
結界術が通じない、封印術も通じない相手。
ようするに、俺の得意分野が通じない相手だろうな。
『いるのかの……?』
知らん。
『というか、フレアは天使として召喚されてる間の記憶はあるのか?』
いや、天使になってるあいだ、眠っているような状態だから、記憶は無い。
「リク、お仕事どうだった?」
ほらね。
「ばっちりこなしてきたよ。たくさんお金もらったから、ぱーっと使おう」
するとフレアはぺんっ、と俺の頭をはたく。
「だーめ。将来のために貯金しないとね」
「……そうだな」
将来。
フレアが天使である以上、彼女を狙う輩がこの先大勢押し寄せてくる。
もしかしたら彼女が奪われることになる、そんな最悪の未来があるかもしれない……。
だが、俺がそんなことさせない。
この力で、フレアを必ず守ってみせる。
彼女の将来のために。
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