15.死者蘇生
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
15.
俺は商人さんに頼まれて、スタンピードの被害に遭ってる場所へとやってきた。
オークたちを圧殺したあと、俺はけが人を治療することにした。
結界術を応用した治癒術のおかげで、どんなに激しい損傷をしたけが人も、一瞬で戻すことに成功。
しかし……。
「う、う……」「いやぁあ! 死んじゃいやぁあああ!」
俺が到着する前に、すでにオークによって殺された人たちが複数名、いた。
死者の前にうずくまり、生き残ってる人たちが涙を流している。
なんだか、やるせない気持ちになる。
到着がもっと早ければ……。
「レクト殿。ありがとうございましたデシ」
妙なしゃべり方をする商人さんが、俺のもとへやってきて頭を下げた。
「あなたがいなかったら被害が拡大していた。本当にたすかったデシ」
「いえいえ」
「じゃあ、帰りましょうデシ。かえって報酬の話合いを」
ん?
「何言ってるんだ? まだ俺の仕事は終わってないぞ」
「? どういうことデシ?」
「まだ、死んでる人たちを、蘇生してないじゃあないか」
ぽかーん……とする商人さん。
『お、おぬし何を言ってるのじゃ……?』
白猫姿のカーミラが、困惑した様子で言う。
『死者を蘇生だと?』
「ああ」
『そ、そんなことができると?』
「できるよ」
ふぅ、とカーミラが長く息をついた後……。
『できるかぁあああああああああああああああああい!』
猫姿で回転キックを食らわせようとしてきたので、空中に結界を作って防ぐ。
ふぎゃ! とぶつかって、地面に落ちた。変な奴。
『死者の蘇生なんてできるものか!』
「いやできるけど。もっとも、いろいろ縛りは多いけどさ」
俺は、ぱん! と柏手を打つ。
すると四方に、結界で作った柱が出現する。
柱と柱の間を、光の線が結ぶ。
それによって柱の内部が、純白に輝きだした。
『これは……浄の力!?』
「なんだおまえ、知ってるのか?」
『浄の力。浄とはすなわち、最上級の癒しの技。あらゆる不浄を取り除くという』
俺の使う結界術には、いくつか奥義が存在する。
そのうちの一つ、【浄界構築】。
『内部の不浄を完璧に取り除くことで、神が存在できる神聖なる領域を作り出したのか!』
「おまえほんと詳しいな」
『だてに長く生きとらん……なるほど、天界を疑似的に生成し、呼び出すのか。人の魂を!』
死者が向かう、神のいる世界、天界。
天の世界と、地上の世界を、リンクする。
天の世界へと昇っていった魂を、この浄界に呼び出し……。
そして、肉体に戻す。
「ぜえ……はあ……はあ……」
すさまじい負荷が体にかかる。
だが、俺はやり遂げる。
だれしも大切な人を失ったら悲しむ。
そんなことは、俺がさせない。
ほどなくして、天界の魂が呼び出されて、そして死んだ人間の肉体へと戻る。
あとは、損傷した肉体を治癒すれば……。
「う、うう……」「あれ、おれ死んだんじゃ……」「うそだろ、生き返ったっていうのか!?」
おおおおおおおおお! とすさまじい歓声があがる。
俺は浄界をといて、その場にへたり込んだ。
『結界で、神聖なる領域を作り、魂を天より呼び出すなど、人間業とは思えんな……』
「どうも。まあでも、縛りはあるよ」
死んですぐじゃあないと、魂を地上へ呼び戻せないし。
肉体がないひとは蘇生できない。
『だとしても人間の領域をはるかに超えておるよ』
と、そこで俺は気づいた。
集まっている人が全員、俺の前で土下座してるのである。
えええ、なにこれ……?
「これではっきりしました。あなた様は、神なのデシ!」
……。
…………いや、違うけど。
【★☆★読者の皆様へ 大切なお知らせです★☆★】
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