10話
かき氷は宝石のような見た目をしており菜々美はとても嬉しそうに食べていた。
選んだ店で喜んでもらえるのはこっちとしても気分がいいし嬉しくなる。
この前友達のおじいちゃんに焼肉をごちそうしてもらった時の方法で御馳走することにした。
その方法は菜々美の食べ終わりくらいにお手洗いで離席しその間にお会計をすますという古典的な方法だが僕はスマートでかっこいいと思ったので実践することにした。
結果席に戻って菜々美にカバンを渡してスマートに退店することができた。
ありがとう、友達のおじいちゃん。。。
菜々美はこっちが申し訳なるくらいにお礼を言ってきた。
すると菜々美からの提案で行きたいところがあるとのことなのでどこか聞くと菜々美は自信満々に
「私についてきてください!」
とだけ言って前を歩きだした。
電車に乗り菜々美についていくと行きたかった場所はなんと通天閣。
小さいころに一度行ったことあるが記憶がないなー、と思い菜々美と通天閣に上った。
無料でいける高さで僕は満足したが菜々美はせっかくなので一番上まで登ろうと提案してきた。
もちろんOKと返す。
すると菜々美は、
「ここは私が出します!
私も財布がカバンの底にあるのでまた今度機会があればもらいます!」と反撃。
やられたなと思いながら素直にお礼を言って上ることに。
一番上まで来ると菜々美が
「ご迷惑じゃなければ写真撮ってもらえませんか?」
と言ってきたので菜々美の写真を撮ると
「違います!翔平さんも一緒に!」
と急に腕を組みインカメで写真を撮った。
インカメで写真を撮るなんてしないからびっくりしてしまった。
満足そうな菜々美を横目に通天閣を降り始めた。
菜々美はずっと嬉しそうに写真を眺めている。
そんな菜々美を見ていると僕にも笑顔が移ってしまった。