2.主よ、憐みたまえ:KYRIE
次のキリエは宗教曲が好きな方はご存知でしょうが、どんなミサ曲にも出てくるもので「通常文」と呼ばれるものの代表です。これに対し、Requiemで始まる最初のIntroitusはもちろんレクイエム固有の典礼文ですから「固有文」と呼ばれます。
さらに、レクイエム全体の中で、Kyrieだけがギリシャ語で「主(英語ではLord)」という意味です。実は新約聖書の原典もギリシャ語ですが、中世以来もっぱら古代ローマ帝国の公用語のラテン語訳の聖書が使われてきたので、カトリックの信者や聖職者にとってもキリエはアルカイック(これもギリシア語起源です)な感じがしたでしょうね。
テクストが“Kyrie eleison. Christe eleison.”(主よ、憐れみたまえ、キリストよ、憐れみたまえ)と簡単なだけに作曲家の腕の見せどころで、レクイエムにおいてはモーツァルトの二重フーガなどが想い起こされます。バッハのロ短調ミサはいきなりKyrieの力強い合唱で始まり、木管と弦楽の掛け合いに繋がって行きます。
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