そうだ、停戦しよう。ワイバーンの王とキラキラ王子は、落とし所を模索する。
『どうか、スノーを焼いちゃってください! ママが来る前に、早く!!!』
スノーローズが叫ぶ。
枯れた湿原に、身を切るような空っ風が吹きぬけてゆく。
空は、雲ひとつない快晴だ。
湿原地帯特有の、ありふれた乾季の夜明け。
だが、地上の様子は普段と違っていた。
好きに縄張りを作ってはこの湿原を飛び回るワイバーン族が、一堂に会しているのだ。
真紅の鱗が朝日に照らされて、キラキラ輝いている。その光景は、国境の大湿原一帯に、果てしなく広がっていた。
当事者のワイバーンたちは、困っていた。
人間に酷いことをされたから報復に来たのに、ドラゴン族のお嬢様から『その怒りを自分にぶつけて』と、懇願されるなんて。
ドラゴン族のお嬢様は、1番悪いことをした「人間の王様」の、親友だと言う。
「人間の王様」は、悪い人間に操られて悪いことをしてしまったけれど、本当は全然悪い人ではないと。
竜族は基本的に嘘をつかない。
幼竜は、特に。
ワイバーンたちは、本気で本気で困り果てた。
地平線の果てまで支配していた、強い怒りは消えている。
望まれたからって、いとけない幼竜に八つ当たりしようなんてワイバーンは、いない。
尊敬してやまないドラゴンの幼子を折檻しようだなんて。母ドラゴンからの報復がなかったとしても、やらない。できない。
そもそも、ドラゴン族は高潔な人間を好む。スノーローズの選んだ人間がその極みであると証明するかのように、近い空を鳳凰たちが旋回している。
鳳凰は基本的に人間嫌いだが、極端に徳の高い個体にだけ、強い好意を持つことがある。
その鳳凰たちからも、「我らが認めた人間を屠るのか?」と、言わんばかりの圧がきている。
ワイバーンの王は、逡巡した。
王といっても、生活圏の群れの中で1番体が大きくて、1番喧嘩に強くて、1番早く飛べるだけだ。
なのに、幼竜にはウルウルされるし、鳳凰たちには睨まれるし、仲間たちに至っては、「どーする?」「王様がビシッと決めるんじゃん?」と責任丸投げな脳共鳴をよこしてくるし。
王とて、幼竜に八つ当たりなどしたくない。
だが、それはそれとして、仲間の屍を陵辱された怒りが消えたわけではないのだ。
この悲劇を扇動した人間を噛みちぎりたいし、ブレスを浴びせたいし、踏み潰してやりたい。
ふと、視線を落とすと、スノーローズに乗って来た人間と目が合った。
人間の王様は、喋れば彼とわかるけれど、黙っていたらウジャウジャいる他の人間と区別がつかない。
なのに、どうしてだろう。この男だけは、はっきりと個体差がわかる。
『お前、変わった人間だな?』
話しかけられたと察したフレデリックは、オケアノスの肩に再び手をかけた。完全に無意識だが、オケアノスと幼竜守る体勢で、ワイバーンの王を見上げた。
「あなたは今、私に語りかけたのだろうか?」
『ああ。お前は、変わった人間だ。ライダーじゃないのに幼竜が背を貸すなんて』
「私は、この大陸東端の王国、サンドライトの王太子フレデリックと申す」
『おうたいし。そこにいる人間の王の息子か?』
「いや。君たち幻獣や精霊が認める人間の王と、人間社会の王は異なる。人間は、いくつかの群を統べる者を、王と呼ぶ。私は、その中のひとつの国の、次期王だ」
『ふぅん。わかりにくいな』
「あなたは、ワイバーンの王なのだろうか」
『ああ。そう呼ばれている』
「そうか。……我が同族が、ワイバーン族に多大な損害を与えた。ここに深く陳謝する」
フレデリックは、左手はオケアノスに触れたまま、右手を左胸にあて、両膝を膝をついた。
高貴な王子にふさわしくない、恭順の所作だ。
サンドライト軍も、慌てて全員が平伏した。
オケアノスがフレデリックに倣うと、帝国軍も武器を放棄して五体投地した。皇太子だけに恥をかかせるわけにはいかないとばかりに。誰も命令していないのに。
『加害者でない人間の謝罪は、要らないよ』
「いや。私の妹こそが、真の加害者だ。妹は我が王族を処刑し、自らが支配者になる条約に調印した。その手段に死屍飛竜の育成を認めている。真偽は、ドラゴンライダーでもある我が叔父が調査しているだろう。彼女と彼女を担いだ者たちは、サンドライト王国簒奪の手段に、君たちの怒りを利用したんだ」
フレデリックの声には感情がなく、表情も凪いでいる。
「今の身柄は、サンドライト王女ではなく帝国皇太子第一側妃だが。そこのオケアノスが操られていた時分の」
「今も妃だ。彼女も余の被害者ぞ?」
あたりまえみたいに顔を上げるオケアノスに、フレデリックは瞬きをくりかえした。
「え。妃認定していたのかい?」
「縁あって夫婦になったゆえ、添い遂げる所存だが?」
この時点で、ふたりはレティシアの死を知らない。
フレデリックは、青い瞳を丸くした。レティシアは無害で無力な姫君を装う達人だが、オケアノスほどの慧眼があの本性を見破れない筈がない。
「……アレの本質がわからない貴方では、ないよな?」
「生来、良心が欠落しているのであろう? だが、ある程度の顕示欲を満たせば、心から笑む。頑是のない女人と思う」
「…………そうくるか」
フレデリックは天を仰いでため息をついた。
レティシアが本気でサンドライト簒奪を目論む烈女なら、それはそれで面白かったかもしれない。良心が欠落していようと、為政者として彼女なりの美学があれば。潰し甲斐があるというものだ。
だが彼女は、人身掌握と権力をこよなく愛していても、政治そのものには興味がない。全くない。
単純に、『アーチライン様との婚姻に反対するサンドライト王室が滅べば、私たちは結ばれることができるわ』とでも思い込んで、調印しただけだろう。
彼女の、アーチライン・シェラサードへの執着は、もはや狂気だ。過去には死人が出ているし、国家の諍いさえ利用するのだから。
そんな女を妻にして、『頑是ない』って、いったい。
「オケアノスのことだから、本気で言ってるのだろうな」
「無論」
当然と言わんばかりの肯定に、遠い目を禁じ得ないフレデリック。
ある意味、唯一無二の嫁ぎ先なのだろうか。いや、あれを妻にできる男は、この世にこの男しかいないのかもしれない。
『人間の王は、番の趣味が、あんま良くないな?』
ワイバーン王のが首を傾げると、フレデリックとワイバーンたちが一斉に頷いた。鳳凰たちに至っては、細い首がもげそうなくらいヘッドバッキングしている。
ちなみにアリスト辺境候トニオは、ピクリとも頷かない。レティシア王女の罪状とその詳細を報されていないからだ。なんとなく、クロだと確信してはいても。実に正しいサンドライト貴族である。
「私は、そこのオケアノスのような慈愛は持ち合わせていない。停戦後は妹の引き渡しを要求し、戦犯として裁く所存だ。王族による国家反逆罪は、竜族ならば共食いの罪業に等しい。極刑に値する」
『ふぅん。では、人間の処刑が終わってから、遺体を我らに寄越せと言われたら?』
ワイバーンの王は長い首を地面につけて、真っ正面からフレデリックを見つめた。丸いつぶらな瞳に、ダイヤモンドの錫杖を持つ金髪の青年だけを映して。
「仰せのままに。ワイバーンの王よ。この通り、私にできることなら何でもする。どうか、我らの謝罪を受けてくれないだろうか」
ワイバーンの王は、いよいよ困った。
ワイバーンに限らず、竜族は本能的に嘘を嫌う。
フレデリックの言葉が不快ではないということは、嘘をついていないということだ。
『成程。同じ人間を守るために戦う連中もいれば、奪ったり殺したりするために我らを利用する連中もいる、と』
「そうだ」
『人間は複雑だな。悪いヤツだけ集めて屠りたいが、個体の中に善も悪も尊さも卑しさもあって、環境や相互作用でいいヤツになったり悪いヤツになったりするみたいだし』
「ご明察だよ。ワイバーンの王。私も大概、善人ではない。血を分けた妹を切り捨てて、心が痛まない程度には薄情だからね」
フレデリックはそう、自らを嘲笑った。
あの見た目だけは整っている妹を、美しいとさえ思わなくなったのはいつだろう。
弟王子レドリックに、薬と偽って毒を飲ませた日からか。
アーチラインの恋人を亡き者とした日からか。
レドリックは後遺症で足が不自由になり、車椅子が手放せない人生を強いられている。本人は気にしていないが、脊椎機能は戻らないし、子を成すことも絶望視されている。
それだって、レドリックが憎かったからですらない。
レドリックが王位継承権を得たら、アーチラインの継承順位が下がるから。
フレデリックに暗殺者を差し向けまくってきたのも、アーチラインが王となり、レティシア王妃の雛壇を完成させたい乙女心ときた。
それだけのことをしながら、フレデリックやレドリックに愛されていると信じ疑っていないからすごい。自己肯定感が高すぎて狂っている。
オケアノスのように、破綻した人格も含めて丸ごと受け入れるなんて、フレデリックには不可能だ。多分、これからも一生できないだろう。
『オケアノスのツマは、タイガイだもん。ワイバーンのお墓暴いて兵器にしちゃえとか、ダメダメだもん。マリアベルちゃんとあんぽんたんに、強酸ぶっかけようとしてたし』
「ん? 強酸? 初耳だね!」
フレデリックのキラキラな笑顔に、思わず後ずさるオケアノス。と、ワイバーン王。
『とにかく! キラわれちゃうのは、しかたないと思うの。でも、妹はダメダメだけど、王子サマはとても良い人よ? ちょっとムチャぶりヒドいけど』
ぐずぐず泣きながら、ツッコミを辞さないスノーローズ。
オケアノスから「コラ」と嗜めるように毛並みを整えられ、『だって本当だもん。オケアノスとスゥちゃんだけで戦争を止めてこいとかいうし』と、ジト目でフレデリックを睨む。
『それだけ仲が良いのに、お嬢さんの親友がフレデリックではないとはな。本当に、不思議な人間だな』
「ドラゴンライダーが多い家系だからかな。父と叔父もドラゴンライダーだし。血筋的に、竜族への親しみ深いのだと思う」
『スノーは、王子サマがサンドライトの王子サマじゃなくても、お友だちになってたと思うのよ?』
「ありがとう。だが、国に愛されし王子だからこそ、私は私なのだよ」
『ハハハ! なんだそれは!』
ワイバーンの王は大きな口を空けて、気持ちよく笑った。
口の中で不規則に並ぶ尖った歯が、きらきら輝いた。
『フレデリック。ワイバーンと人間の軋轢の、被害者でも加害者でもないお前に問う。この度の事件、どこに落とし所があると思う?』
キラキラした黒い瞳で、まっすぐにフレデリックを見下ろす王。
フレデリックはオケアノスの肩を掴んだまま、大柄なワイバーン王を見上げた。そして、察した。
無条件で人類を許せと言える雰囲気では、ないと。
差し迫る命の危機は去ったが、延命の難易度が跳ねあがったようだ?
難題チャレンジはフレデリックの趣味だが、いかんせんワイバーンに詳しくない。
「トニオ。ワイバーンは、何をしたら喜ぶのだ?」
ある意味、人類の命運を託されているのに、フレデリックは通常運転に戻っていた。虫も殺せないような美しい笑顔。一切動揺してないであろう鋼鉄のメンタル。トニオの毛髪が一房ほど兜の中で儚くなった。
「その、高所恐怖症を乗せての、超高速飛行かと」
『なにそれ、楽しそう!』
『最高じゃん?!』
「却下」
フレデリックの脳母に、絶対的に優秀な生贄の姿が浮かんだ。
が、秒で却下だ。やむを得ず彼女を泣かせていいのは、この世で自分だけだから。
異世界の記憶を持つ、『賓人』マリアベル。
悪役令嬢を自称し、フレデリックに断罪されると信じていた婚約者。確かに悪役っぽいメイクやドレスは似合う。尖塔に仁王立ちして魔王を召喚しても違和感がない。が、お人好しの高所恐怖症には、まず不可能である。
フレデリックからすれば、悪人は自分だ。
彼女に出会った頃には、暗殺者を自力で始末していたし、そのことで自己嫌悪する時期も、とうに過ぎていた。
王太子妃教育でそれを教わった日には、嫌われるか、今まで以上に怯えられるだろうと覚悟したものだ。
が、意外なことに彼女は王と王妃に激怒した。
王妃の間の応接セットをひっくり返して、啖呵を切ったのだ。
「殿下はまだ子どもなのに、なぜですの?! 陛下だって、デビュタント前に間者を屠る訓練なんか、課されてきませんでしたわよね?!」と。
子犬も叱れない小心者なのに。
王太子妃教育でスパルタされて、王妃には特に怯えていたのに。
銀の巻き毛を振り乱し、すみれ色の瞳をキッと吊り上げて、王と王妃を「人でなしの虐待親」と、罵った。
不敬罪の極みである。
マリアベルは反省部屋に入れられ、3ヶ月ほど絞られた。
言葉が悪かったことは反省したが、国王夫妻への不満は意地でも改めず、逆にミネルヴァ王妃に「引かない一面を持つのは、悪くなくてよ」と、感心された。
フレデリックの方は、『一般的な、王子レベルの教育に引き下げるか?』と問われた。
無論、却下した。ただ、「マリアベルに気が付かれないようにお願いします」と直訴すると、両親に生ぬるく微笑まれた。
叔父には「楽できるチャンスなのに、バカだな」と笑われ、頭をぐしゃぐしゃに撫でられた。
マリアベルを守る為だから、何だって習得してやる。
血反吐くらい、吐く。何度でも。
それも事実だけど、もっとシンプルに「好きな子にかっこいいと思われたい」という、少年らしい下心も満載だった。
新年の式典で、王族と大公宰相家の男児が舞う『王侯剣舞』を見て「陛下とファルカノス殿下、本当に眼福でしたわ」とニコニコされた日から、本気で剣舞の特訓を開始した。
フレデリックだって、幼少期からアーチラインと組んで舞ってきたし、評価は上々だ。でも、父と叔父に見とれていたマリアベルの眼中には、全く入らなかったらしい。
「トゥルーエンドのエンディングが、オケアノス皇子とフレデリック殿下の剣舞なんですよ。エイミの歌に合わせてメインヒーローと隠れキャラが踊りながら剣を撃ち合うファンサが、尊くて、尊くて」
と、うっとり言われた。おそらくは、新年の度に。
「殿下、年々スチルに近づいてきましたわね。アーチライン様は実物の方が素敵ですし。オケアノス皇子も混ぜたいですわ」とかほざくから、毎年思った。
『他の男なんか、どうだっていいだろ? いいかげん、僕だけを見ろよ!』と。
ようは、虐待紛いの王太子教育より、自分より優秀な男がマリアベルに賞賛される方が辛いのだ。この、婚約者しか目に入らない一途な王太子には。
『ねーねー、うちら、人間のチャンバラ見るの好きだよー』
『昔、トニオより強い双子? が見せてくれたじゃん? 長剣と三叉鉾でキンキンキーンて。あれ、面白かったー』
『たしかにー。そこのふたりならできないかなー?』
チャンバラというワクワクワードに、ワイバーンたちが盛り上がりはじめた。
オケアノスのおかげで意思の疎通が容易でよろしい。
だが、フレデリックの笑顔はピキっと固まった。
「父上と叔父上、辺境に来てまで喧嘩したの? 被害のほどは?」
一定の年齢以上の騎士たちが、いっせいに目を逸らす。
沈黙とは、なんと雄弁な肯定だろう。
「国王陛下と王弟殿下が嗜まれたなら、剣舞だったのではないか? 結果的に兄弟喧嘩に発展したのかもしれぬが、少なくとも最初は」
オケアノスが立ち上がり、自身の剣を拾いあげた。
「帝都の剣舞は、シギ州が発祥とされる。もともと、ワイバーンライダーが相棒の死に捧げた鎮魂の舞踊であったと。サンドライトの王侯剣舞も、その流派だと推測するが、いかがだろう」
フレデリックは思わず瞬きをした。
フレデリックにとっては、マリアベルの視線を自分だけに向けさせたいだけの年明けミッションでしかないが。
かつてアリスト辺境候に婿入りしたドラゴンライダーのベルベット王子が、婚礼式で王家に献上した武踊が剣舞の始まりだ。
「その通りだ。オケアノス、舞えるか?」
「それなりに。兄皇子たちの、見様見真似だが」
「……君の場合、それで充分身についたんだろうね。細部の違いは、舞いながら互いに調整しよう。トニオ、アルマリオ、イルジーノ。闘唄の音頭を頼む」
「は!」
サンドライト王宮では、年が明けて教会の鐘が鳴り響くと、屋内闘技場に集まった貴族たちが「闘唄」を歌う。老いも若きも男も女も声を揃えて。
今年まではクリスフォードのカウンターテナーが響き渡ったが、来年からは歌の聖女エイミが、真骨頂を発揮するだろう。
勇ましい旋律にあわせて、王家と大公宰相家の男子が2人1組で舞う。
前の年に対戦した最強の相手を想定し、組んだ相手を敵と見做して戦う。
舞踊ではあるが、剣の試合に近い。
実力が近い者が組むので、現在ではフレデリックとアーチライン、アーチラインの父と弟、国王と王弟の順番で舞っている。
勝敗はないが、アーチラインの舞いが飛び抜けて華麗だと、フレデリックは思う。生き方というか、性格が出やすい演目なのだろう。うっかり急所を狙いたくなるフレデリックは、我ながら優雅さに欠ける気がしている。
なお、子どもの頃はマリアベルの視線を奪いまくってた父と叔父が、今となってはダメダメだと気がついた。技術は高いし見目も美しいが、本気で殺し合っているから。
殆どの貴族は気がついていないが、ヤツらのアレは、もはや剣舞ではない。海から出張してくるリヴァイアサンが、防御壁を張ってくれるから怪我人が出ないだけの、殺人試合でしかない。
アレよりは、自分の方がだいぶマシだ。
マリアベルに褒められたかったからとはいえ、徹底的に見せ方を研究したし。パートナーのアーチラインも、さんざん練習に巻き込んだし。
辺境貴族たちが、闘唄を謡はじめた。
難しい歌詞ではないし、同じ旋律のくりかえしなので、子どもでも容易に合わせることができる。
兵士たちも、ハミングまじりに謡いはじめた。
女性音声が少ない重低音が、とてつもなく荘厳だ。
立ち上がり、ワイバーンの王に向けて礼をするフレデリック。
オケアノスもそれに倣った。
陽光に輝く切っ先。向かい合う2人の頬に笑みが浮かんだ。
そして、王太子と皇太子による、世にも美しく、猛々しい剣の舞が始まった。




