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6 さぁ、出発!

―翌朝―


目を覚ますとコトコト、という音と共にいい匂いがしてきた。

どこからだろう?とりあえずリビング行こうかな


「おはよーございまーす」


寝ぼけ半分でリビングに行き声を掛ける


「あ、リリー起きたんですね。おはようございます」


ん?今の声って

ぱっちりと目を開けて声の主を見る


「マロンちゃん、ポニーテールですか、可愛いーー!」


なんということでしょう!昨日は降ろしていた髪を今はポニーテールにしているではありませんか!

天使!見事な天使!大天使様!!


「ありがとうございます、もう少しで完成するので顔を洗って着替えてきてください」

「はい!」


いわれた通り、顔を洗って着替える。出会って翌日に嫁の手料理(しかも朝ごはん)って最高じゃない?今まで外食だったから嬉しいなぁ


「支度できたよ!」

「こっちも出来ました。食べましょう?」


お互いに向かい合って座る。

朝食は白米、味噌汁、鮭の切り身だ。いかにも日本食って感じ。日本食好きだからやったね!


「あれ?そういえば他の家族は?」

「あぁ、父も母もお客さんがいないこの時期は遅くまで寝てますよ」

「ふーん?そうなんだ」

「それに、今は魔族がこの国を支配してるのでそもそもお客さんって来ないです」

「あー、なんかごめんね」


大変なんだなぁ。

ズズッ、と味噌汁を啜る。


「うん、おいしい」

「ありがとうございます」


白米を一口。これも程よい甘さがあってそのままでもとてもおいしい

私の嫁は料理もうまいんだぞ!羨ましいだろ!


「一生ここにいたい」

「姉を助けましょう?」

「助けるよ、そりゃもちろん」

「その後でしたら大歓迎ですよ」


もぐもぐ、とご飯を食べていてふと疑問に思った


「お姉ちゃん助けたらこの家に戻ってきてこの暮らしを続けるの?」

「はい、その予定ですが」


ガーン......今、私の後ろにそういうイメージのエフェクトがあるだろう。

ちょっと待って、ほんんとに?だって私、君と旅するつもりでこの世界に来たし、ここまで頑張ってきたんだよ?嘘だよね?ゲーム的にも魔王倒したのでさようならって、せめて装備は置いて行け!だよ?......いや、そうじゃなくて!


「私と一緒に旅しない?」


お願いです、Yesって言って!


「でも、民宿の仕事もありますし」

「お願いしますぅぅ!」

「な、何でそんなに必死なんですか?」

「だって、ゲーム作ったのも、最強装備を揃えたのも、全部が私とマロンちゃんで旅するためだったし!」

「え?」

「あ......」


しまった!勢いあまっていらぬこと言っちゃった!


「どういうことですか?」

「あ、いやえっと、こっちの話だから気にしないで、あはは......」


お願いこれ以上突っ込まないで。ボロが出そうだし冷や汗ひどいから


「まぁ、いいです。そうなるほどに必死なんでしたら旅ぐらいいくらでも付き合いますよ」


私の横に移動して笑顔で汗をぬぐってくれるマロンちゃん。

くぅ!この!それ、私にしかしちゃだめだからね!


さて、萌えながら朝ごはんを食べた私は今、食器を洗っている。

マロンちゃんは悪いから、といって自分が洗おうとしていたが、ご飯をごちそうになったのだからこれぐらいはやらせてほしい、ということで私がやっている。

で、マロンちゃんはというと


「お待たせしました」


食器を洗い終わりのんびりしていた私に彼女は声を掛けてきた。もちろん、あの可愛らしい魔女の姿で。

あぁ、いつ見ても可愛いよ、私の大天使様


「じゃあ、行こっか!お姉ちゃんを助けに!」


私たちの新婚旅行に!あ、でも、魔王城が新婚旅行先はやだな。

......え?まだ結婚してない?はは、つまらない冗談を。だって最強装備あげたんだよ?


「はい!よろしくお願いします、リリー!」

「うん。ねぇ、私たちってどういう関係?」

「旅の仲間、ですよね?」

「ソウデスヨネー」


じゅ、十周目ぐらいで結婚してやるからな!

いきなりですが、これの省略名を募集したいと思います。

感想でもTwitterでも何でもいいので一緒に考えてくれると嬉しいです!

多分、みつばの、で検索すれば出てきます(ここで垢書いていいのかわからないので)

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