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4 初めまして、マロンちゃん!

四周目の始まり、やっぱりヴェライトのギルド前だった。


「バグ、にしては他の不具合が一切ないんだよなぁ」


考えてもしょうがないのでギルドに入り、ずっと初期のままだった服を買い替える。

村人ちゃんにみすぼらしい恰好はみせられない。このヴェライト王国は、貴族やSランクの冒険者が多いため、衣食住にはすごく力をいれているところが幸いだ。

中でもこのギルドの服は一級品で、欲しくてもお金が足りなくて買えない貴族すらいるほどのものだ。でも魔王を一回倒せばその報酬金で一式揃う程度だから私は買えるんだけどねー。


ということで時の羽衣をチェスターコートみたいな形に仕立ててもらい、月の雫と魂の宝玉はネックレスにしてもらった。デザインはお揃い!

ここらへんの装備が変えられるのもこのゲームの売りなんだよね!


完成したものと買ったものを早速着る。うん、かっこいい女剣士になったよ!

あとは可愛らしい魔女の服も買った。


さぁ、待っててね!私の村人ちゃん!


ギルドを後にし、颯爽と歩き出した私を周りの人がびっくりした顔で凝視する。


「あの人、すごくねーか?」

「相当な金持ちで滅茶苦茶つえぇんだろうな。かっけぇ!」


ふふーん、そうでしょう、そうでしょう。なんせ、時の羽衣を羽織って、月の雫を首からかけて、古の魔剣を背負ってるんだもん。もっと崇めていいんだよ!

あ、魔女の服と宝玉は丁寧に梱包してもらいました。


「ちょっと!そこのあなた!」

「うん?私?」


後ろから声を掛けられ振り返ってみるとキルナさんがいた


「あー!キルナさんだ!サポートの仕事はいいの?」


おい、あの子、あっちの金髪のこと「さん付け」したぞ?

そんなにすげぇのかよあの金髪


そんな声も聞こえた。凄いよー、私のお師匠様だよー。今は私の方が強いけどね


「なんで私のこと知ってんの?ってそんなことよりその装備!なんなの!」

「なんなのって言われても、ねぇ?」


まさか、幻のものだから国に収めろ!とか言わないでよ?


「ずるいわ!」


そっちかーい!

......思い出した、月の雫は入手後、サブイベでネックレスに変えてキルナさんにプレゼントすると告白してくれるんだ。

ごめんよー、いつかやるからね!今は許して!


「キルナさん、じゃあ、バイバイ!」


私はその場から離れ、急いで馬車に乗った。あれに構ってたらあげる羽目になっちゃうもん


「嬢ちゃん、どこまでだい?」

「アルラード帝国までお願いします。」

「はいよ」


このおじいちゃん、一周目のおじいちゃんだ。馬車使いには何人かいてそれもランダムになっている。


「着いたぞ。すまねぇが、今のアルラードにゃ入りたくねぇから近くまでになっちまう」

「うん。分かってた。はい、216G」

「おう、ありがとな。嬢ちゃん、気を付けろよ」

「バイバイ!」


一周目の時と同じようにおじいちゃんを見送る

さて、向かいますか、初のハラクア村に!


ときどき邂逅する魔族を倒しながらなんとか日没前に到着した。

村長に挨拶したいな、どうしよう?と思っていると声を掛けられた。


「すみません」

「ん?何ですか?」


振り返るとそこには私の愛してやまない人が困った顔で立っていた。


「うそ、資料より可愛くなってる」


そこにいたのは私好みのThe美少女。やったぜ


「あの、勇者様、ですか?」


勇者様。プレイヤーは時にそう呼ばれる。


「うん。、そうだよ。どうかしたの?」

「えっと、じつは―」


彼女の言葉を聞こうとしたその時、

キエエアアアアア!!

という複数の声とともに魔族が現れる


「後で話はちゃんと聞くから今は隠れてて」


私は彼女を物陰に隠し、魔族と対峙する

敵は5体。こんなの今の私にとっては朝飯前だね。


キキキー!と叫びながら向かってくるやつを足払いで転ばせる。そいつを大剣で相手の近くまでぶっ飛ばす。

そして全力で大剣を横に振り、風圧で魔族たちを空に浮かせる。武器変化で大剣をペティナイフ5本に変え、魔族に向かって投げる。

ドドドドドという刺さったであろう鈍い音がして魔族は消え去った。

その場に残ったペティナイフは1本の大剣に変わり、私の背中に戻ってくる。


「す、すごい!すごいです!勇者様」


近くでその様子を見ていたその子が遠慮がちの拍手をしながら出てきた。

可愛いなぁ


「ところで、話って?」


この子に関してはゲーム内で1から関係を築きたかったからキャラの見た目しか見てない。だからサブイベとか分かんないんだよね。


「はい、私マロンって言います、私の姉を助けてもらえないでしょうか!」


マロンちゃん!名前まで可愛いなんて、罪だなぁ、もう!......って


「え?お姉ちゃん?」


いるなんて聞いてない

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