2 一周目で最強装備!
しばらくの間キルナさんの元で修業をする。ゲーム時間にするとだいたい128時間ぐらい、経験値は500万前後、レベルは200。
カンストが1000だからまだまだだなぁ
倒すのはトロール。始まりの森のやつだ
「リリー、だいぶ強くなったじゃない。そろそろ魔王ぐらい倒せるでしょ?」
「分かってないなぁ、キルナさん。私の目的は魔王じゃないんだってば」
「ハラクアにいる村人?散々聞いてる」
「でもそろそろ行ってくるよ。まだ一周もしてないし」
「一周?」
「こっちの話。付いてくる?」
「行くわ、私の祖国を脅かしてる存在は許せないし」
キルナの祖国はアルラード帝国。すごく治安が良かったところだけど魔族に侵食され始め、治安がとても悪くなり、人が奴隷として扱われることが少なくない、という設定だ。
ちなみにハラクアはアルラードの端っこの小さな村で主人公がその村に着いたところで魔族が来るから心配ない
...あ、これはサブイベントだからもちろん無視しても問題ない
「ついでにアルラードも救おうね!」
「え、ついで?ついでなの!?ねぇ、私はついでなの!?」
「あっはは!聞き間違いでしょ」
「えぇ、そんなことある?...はぁ、もういいわ。早く魔王城に行くわよ」
「了解でーす」
アルラードまでは馬車を乗り継いで一日で行ける。
早速、出発!
「待っていてください、みなさん。必ず私とリリーが魔王を倒すわ」
アルラード行きの馬車に乗ってる途中、キルナさんはそうお祈りしていた。うーん、つまんない。おちょくろう
「えー?それって私がいないと倒せないってことー?」
「なっ!か、勘違いしないで!私だけでも倒せるわ!使えるものを使うだけ!」
可愛いな、このヒロイン。後輩君が好きそうだ......あ、このキャラデザ、後輩君だった。
でも私の推しは村人ちゃんだけ。キルナさんとのサブイベント、まったく手を付けてなくてごめんねー?
「お客さん、着いたぞ。すまねぇが、今のアルラードにゃ入りたくねぇから近くまでになっちまう」
「大丈夫、元からそのつもりだったから。ありがとねー」
「気ぃ付けろよ、嬢ちゃんたち」
「おじいちゃんも気を付けて帰ってねー!」
「ありがとうございました」
「ばいばーい!」
おじいちゃんの馬車を見送ったあと、アルラードに到着した。
対魔王の推奨レベルは80。私とキルナさんはそれぞれ200と250。
ここから私たちの快進撃、行っくよー!
アルラードは城壁で囲まれている。そのため私たちはそこを正面突破しなければいけない。
ここを避けて通る裏技もあるんだあけど、そんなことはしません
「ん?なんだキサマ、止まれ!」
おいおい、止まれと言われて止まるやつがいるかい?
「止まれと言ってるんだ!さもなくば...」
スパっと私は見張りを切った。
「こんにちはー、みんなのこと倒しに来たよー」
スパスパと敵を切り倒しながら先に進む。
あ、確かここら辺のアイテムで物理、特殊攻撃99%カットっていう超低確率で手に入るチートアイテムがあったよな?
まぁそんな簡単に手に入るとは思わないけど―
「あった。時の羽衣」
「時の羽衣!?あの幻の?」
幻になるよね、こんなアイテム。
「あ、魂の宝玉」
「魂の宝玉!?」
魂の宝玉、それは自分に向かってくる全ての攻撃が当たる直前に軌道が変わるという、チートアイテム。これは村人ちゃんにあげよう
「リリー、どういうこと?」
「私もわからん」
とりあえず、最強装備の防御編が整ったから魔王へ挑む。
「よくここまで来たな、小さき挑戦者よ。我が名はオルゾバード。この世界を我が物にすべく―」
「あ、そういうのいいんで、さようなら」
私は魔王の元へダッシュで駆け寄り、初期装備の剣で切りつける
そして、魔王の体は消えていく。
「あ、その大剣は貰うねー」
私は魔王の手にある大剣を素早く奪い取る。
これがこの世界で最強の装備、古の魔剣。実はこれも超低確率で手に入るんだけど、今回は消える前に奪ったから100%手に入る。いやー、強いっていいねぇ。弱かったらこんなことできないよ
これで無事に一周目を終えた。
え?村人ちゃんに会ってない?
いやいや、好きならばかっこいいとこ見せたいじゃん?
だから最初の三周は会いません!三周ぐらいならみんなできちゃうだろうし
ってことで、リセットー!