鉄砲や大砲での戦いは嫌だからと直談判する!
とにもかくにも、このままいけば、あと4年余りで明治の世を迎えることになる。
家臣たちにも既に、はるばる長州まで戦いに赴くことになるやもしれぬ、ということは言っておいてあるからのう…。
慶喜=松平時男は、今まさに苦悩の中にいた。
やはり、鉄砲や大砲を撃ち合って、従来通りに戦うだけでは、それこそただ歴史をなぞるだけになってしまうと考えた。
それでは戦いの結果も目に見えているし、展開としてはつまらない。
慶喜=松平時男は、思いつく限りの方法を考えていたのだが、どれもこれもイマイチピンとこない。
ここは思いきって、朝廷に直談判することを思いついた。
そしてその日の京都御所には、岩倉具視と孝明天皇、さらには岩倉の息のかかった公家たちも並んでいた。
顔ぶれを見る限り、いかにも息のかかったような感じだ。
「して、こたびは何用なのじゃ?慶喜殿。」
「実は、こたびの長州征伐の件についてなのですが…。
できれば武器を使った戦は回避しようかと…。」
もう、それ以外には思いつかなかった。これでだめならあきらめよう。
慶喜=松平時男が考えた挙げ句に出した、逆転の発想となる。
「なんと!それでは長州を征伐しないと申すか!」
「いえいえ、征伐しないということではなくて、もっと他の方法で対戦してみては、ということです。」
本当は長州を裏で操っているのは、岩倉や三条などの公家たち、ということはだいたい察しがついていた。
だから、あえて幕府と長州の双方をぶつけて、その戦いで勝った方の後ろ楯になってやろう、という魂胆はわかっていた。
実際にそんな魂胆が、岩倉たち公卿にあったのかどうかは、想像なのだが、この一連の流れを見る限りでは、察しがつくだろう。




