~殿様会議~薩長土肥の殿様揃い踏み~
俺は平成末期から転生してきた、松平時男。
だいたい将軍様とか、殿様とかいったって、政治の方は老中とか、側用人とか、大老、あるいは藩の殿様なら家老とか、そういう人たちに任せっきりで、自分は初代の将軍様、殿様から数えて何代目の子孫だとかいって、偉そうにふんぞり返っているだけだもんな。
徳川の将軍家の14代目とか、15代目とかいったって、実際は2代か3代くらいで跡取りいなくなって、そのたびに御三家とか御三卿とかいった分家から養子をとって、それで、15代目までつないできたっていうことだから。
さあさあ、そしていよいよ、慶喜さんと、薩摩、長州、土佐、肥前のお殿様たちとの、鉢合わせの時だ。
水戸徳川家
徳川慶喜
薩摩藩
島津久光
長州藩
毛利敬親
土佐藩
山内容堂
肥前藩
鍋島直正
その他、幕末の四賢候も招待してやった。
福井藩
松平春嶽
宇和島藩
伊達宗城
なお、山内容堂は紹介済、島津斉彬はこの時点で既に亡くなっている。
しかしまあ、人名の読み方は難しい。とりわけ、昔の大名とかの読み方は難しい。
そんな難しい読み方、書き方の難読人物名を暗記して覚えなければならないのが歴史の授業だ。
これだから、歴史は苦手とか、嫌いとかいう生徒、学生は少なくないんだ。
久光「私は兄の斉彬の後を継ぎ、薩摩藩主となった久光だ。」
慶喜「まあまあ、まずは食事でも振る舞いましょうか。
しかしまあ、なにゆえにこれから鉄砲や大砲をドンパチしあって戦をしなければならないのか。
できれば公家がやっているような、アレだよアレ、たとえば蹴鞠とかで競い合えばよいと思うのだが。」
自分でもいきなり俺は何を言っているんだ?と思いながら、さっそく用意した食事が運び込まれる。
慶喜「さあさあ、できたてのほかほかの日の丸弁当ですぞ。」
久光「何!?日の丸弁当だと!?
それに、これは何だ?見たところ、動物の肉に粉をまぶして揚げているような…。」
白米のご飯の真ん中に、赤い梅干しが一つ。
それが、白地に赤の日本の国旗、日の丸を連想することから、日の丸弁当ということを、お殿様たちに説明してやった。
おかずは、さつまいもの天婦羅と、かぼちゃの天婦羅と、鶏の唐揚げと、それと沢庵、お新香もついている。
久光「何!?鶏の唐揚げだと!?」
慶喜「いやいや、実際に人間同士も殺生を行うというに、人間が食物にする動物を殺して食することは、悪いことではあるまい。
肉食の動物も、飢えをしのぐために他の動物を殺して食する。
それと同じことをやっているだけだ。
たとえば、熊とか狼とか、ライオンなんかもそうだ。
海なら鮫とか、あとは、食虫植物だって他の昆虫とか捕まえて、消化液で消化して食しているではないか。」
なぜこのような説明をいちいちしなければならないのかというと、この時代はまだ、仏教の肉食禁止の戒律が、根強くあったからだ。




