表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/73

桜田門外の真相は隠蔽(いんぺい)、そして斉昭の死…!

その後幕府からも公式に桜田門外の惨劇について発表されたが、その詳細はなんと、どこの誰とも分からぬ浪人者どもが、恨みを晴らすべく決行に及んだというものだった。

瓦版(かわらばん)=【当時の新聞のようなもの】でも、そのように発表され、庶民たちもそのように認識したという。


これで結局、井伊大老を殺害した実行犯の浪士たちの正体も、その実行犯に指図した黒幕の存在も、うやむやになってしまい、真相は闇に葬り去られる。

そればかりか、井伊大老はその後、極悪人のレッテルを貼られ、逆にその極悪人を成敗したとして、実行犯の浪士たちはむしろ英雄として扱われるようになる。


「井伊大老がこんな極悪人にされちまった理由って?」


「決まってらあ、今まで幕府がさんざん暴利を(むさぼ)ってきたからだよ。

その幕府の将軍に次ぐ、一番のお偉いさんで、しかも実質井伊大老の独断で物事を進めていたからだよ。」


江戸庶民も口々にこう語った。




そんな中、慶喜の父斉昭が病に倒れる。既に余命幾ばくもない状態となっていた。

慶喜も斉昭の見舞いに行く。


「むむ…、慶喜か、わしはもう長くはない…。」

「父上、この慶喜は、いずれこの国の大統領をめざします…。」


慶喜は父、斉昭の前で、初めて自分が日本国の大統領を目指すことを宣言した。


「ん?何を言っているのか、よくわからないが、とにかく、水戸藩、一橋家の、家中の者たちのことは、お前に託そう。

いずれはしかるべき役職を任されることもあろう、その時は、幕府を、そしてこれからのこの国のことを、よろしく頼む…。」


「わかりました、父上…。」




それからまもなく、斉昭は逝去した。


ただ、死に際にぼそっと「日本の大統領になる」と言ったのを、斉昭には聞こえていたのだろうかと。


とにもかくにも、斉昭の死によって、慶喜が再び水戸藩に戻り、水戸藩主の家督(かとく)を継ぐことになるという流れになっていたようだ。


本人の意思も聞かず、家老らが話し合って決めるという、これは武家社会の古くからの習わしだった。


しかしとにもかくにも、水戸家の家督(かとく)を継いだことで、ひとまず日本初の大統領への足がかり、その第一歩にはなるようだった。


「俺の最終目標は水戸藩の家督とか一橋家の家督とか、そのようなものではなく、日本の大統領になることだ。」


心の中ではそう思っていたが、幕末の歴史はいよいよ新たな局面を迎えようとしていた…。


長く続いてきた天下泰平の世の中で、いつしか『平和ボケ』となり、すっかり腰抜けとなり、鎖国を続けているその間に、世界の潮流から完全に取り残されてしまった我が日本。


慶喜として、どうするのか、このまま何も解決策を講じないで手をこまねいていては、ただ史実の通りに歴史は動くだけだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ