慶喜=松平時男の結婚
幕末の激動の中、慶喜は結婚をした。
そのお相手というのは、
一条美賀子【徳川美賀子】という正室、御台所だ。
徳川幕府最後の将軍の、最後の御台所となるのがこの一条美賀子、またの呼び方を徳川美賀子ともいう。
公卿の今出川家の出身だが、父は美賀子が生まれた翌年に他界している。
徳川の将軍や、御三家、御三卿などの当主には、公家の娘や、大大名の娘を嫁がせるというのが、習わしとなっていた。
「おめでとうございます。慶喜様もついに妻をめとりましたな。」
松平時男=慶喜は、平成時代においては結婚や恋愛などとはまるで無縁の日々を送ってきた。
いわゆる、彼女いない歴=自分の年齢だという、松平時男=慶喜。
「そうか、『みかこ』というのか、しかし、なんとなく呼びづらいな…。」
特に呼びづらいということもないと思うが。
慶喜には側室の子も含めて21人子供がいたというが、一条美賀子=徳川美賀子はその21人の子供全てを、実子として面倒を見たという逸話が残っている。
その夜は美賀子との初めての夜となった。
既に家臣たちも寝静まり、交代で見張りをする、その見張りの者たちの足音と、フクロウの鳴き声だけが響く。
今夜は月明かり。その中で慶喜と美賀子の新婚夫婦は、初夜を迎える。
美賀子「さあ、今夜は子作りのため、一夜を過ごすのですよ。
それでは今宵より、美賀子のことをよろしくお願いいたします。」
慶喜「こちらこそ、よろしく。
水戸徳川家、いや一橋家、いや、何といったらいいかな。
とにかく次の将軍家の跡取りを授かるためにもな、ではこちらこそ、今宵よりよろしく。」
そして新婚夫婦は寝床に入り、性交にふける…。