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魔王をやめよう。-魔王令嬢冒険記録-  作者: A46
Chapter2. ほとんど着の身着のままなので、お買い物に行きました。
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魔王の素質その8 脂っこいものとお酒は控えめにする

「つ、疲れた……お腹すいた……」

「すみません、つい楽しくなっちゃって……」

「まあ、楽しくはあったけど……」


気づけば荷車には大きな袋2つにぎっしりの服が。わたしがお嬢様に着せたいものはわたしののお金で買い、お嬢様はご自分が気に入ったものと、なんとわたし用のシャツと上着まで買ってくださいました。


そして、オフショルダーとショートパンツを露出防具(今命名)の上から着たお嬢様がかわいすぎて目のやり場に困ります。


「そういえば、もう食堂の昼営業が始まってるみたいですね。朝ご飯も食べてませんし、ちょっと早いですけどお昼にしましょうか」

「そういえば昨日の夕方からロクなもの食べてないのよね……」


そういえば魔王城最深部が制圧されたのが昨日の夕暮れでしたね。

どんちゃん騒ぎな街の広場に侵入して、出店で食べ物を調達しに行ったんですが、買ってきたタラとジャ(フィッシュ)ガイ()モの揚げ物(チップス)と串焼き肉は超絶脂ギッシュ、飲み物がまさかのビールしか手に入らずで、お嬢様はほとんど何も口にしていないのでした。


あっ、この国は飲酒に年齢制限がありません。というかお酒とお酒でないものの区別そのものがろくに機能してません。


学校でも「飲みすぎると良くない」くらいの指導しかされませんしね。


結局、昨晩は二人分と思って買ってきた揚げもと肉をほとんど一人で食べ、ビールまで飲んでしまったので、およそ住所不定無職とは思えないほどお腹いっぱいでした。


今思えば、昨晩のテンションも一部はビールによるものだったのかもしれません。お酒自体はたまに魔王様が晩酌にお招きくださっていたので初めてではないのですが……


ともあれ、荷車を停めておけそうなスペースのあるご飯屋さんを探しています。


飲食店や宿屋の数からして、村としてはなかなか規模の大きい方ですね。


「何か食べたいものとかあります?」

「きっと今なら何食べても美味しいわ……」

「せっかくですから、いつ食べても美味しいものを探しましょう。昨日の揚げ物でわたしのお腹が油まみれなので、さっぱりしたものがいいんですけど——」



そんな風に考えていたら、ちょうど見つけました。


これは——大酒場ですね。

冒険者さんなんかがよくこういうところに集まっているイメージがあります。


こういった店は基本的に料理の種類も多岐にわたり、大きい街や村なら夜通し開いていたりもします。なので、何が食べたいか決まらない時にはとりあえず大酒場に入ってみるといいんです。


「ここ、入ってみます?」

「えっ、ここって……酒場よね?」


昨晩判明したことですが、お嬢様は口に含んだビールを飲み込むことすらできず吐き出してむせてしまうほどお酒に弱いようです。


「名前はそうですけど、言ってみれば食事や飲酒ができる溜まり場みたいなものですし、お昼時ですからお酒飲んでる人はそうそういないと思いますよ。お酒は安酒ばっかりで種類も多くないから、本格的にお酒が飲みたい人はバーに行くみたいですし」


以上、大酒場の説明も含めて魔王様からの受け売りでした。どうやら魔王を継ぐ前にはよく市街に繰り出して遊んでいたようです。それにしては随分な箱入りにお嬢様を育てていますが。


「まあ……それならいいかしら」

「料理はけっこう安くてそこそこの味のものが出るみたいですよ——あっ、荷車大丈夫ですか?」

「防護魔法をかけておいたわ。誰かが盗もうとしたら私が感知できるようになってるから大丈夫よ」


荷車は大きめの道具屋に売っているので最悪買えばいいですが、買い込んだ服を全部買い直すのは厳しいものがありますものね。

やっぱりお嬢様の魔法は優秀です。そりゃそうですよね。通常4〜5人のパーティでかかってくる勇者御一行に一人で立ち向かわなければならない、それが魔王ってものですから。


さて、店に入って席に着くと、早速ウエイトレスさんが注文を取りにきました。


「いらっしゃいませ、ご注文伺います」

「えっと、わたしは白身魚と貝の(アクア・)白葡萄酒煮込み(パッツァ)で——ウーラニアーは……?」


お嬢様はといえば、備え付けのメニュー表とにらめっこしながら、頭にたくさんの「?」を浮かべていました。


「——どれが何の料理か……わからない……」

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