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隣は誰でしょう

作者: Kira
掲載日:2025/10/28

なんちゃってホラーです。

頑張って書いてみたんですけど、あんまり怖くないです。よろしくお願いします!



「なぁ近くに有名な心霊スポットあるんだけど、行かね?」


 急にそう言った親友の和樹(かずき)に誘われ、幽霊が出ると有名な廃ホテルにやってきた。俺は昔から幽霊というものを見たことがないため、信じてはいないが、最近ホラー映画を観たばかりで少し恐怖を感じていた。別にすごく怖いわけではないが、仲間外れは良くないのでもう1人の親友の清一(せいいち)を誘った。


「ちょ!和樹!どんどん先行くなよ!」

「んだよー!ビビってんの?笑」

「ちげーって!」


 和樹は怖いものしらずなのか知らないが、どんどん建物内を進んでしまう。逆に清一は俺の後ろをゆっくりと歩いてる。


「…悪い清一。もしかして心霊とか苦手?」

「いやなんか床とか抜けそうだからゆっくり歩いてるだけ笑」

「そ、そうか」

「…大丈夫だよ。1人にしたりしないって笑」

「そんなこと心配してないって!」


 清一が俺のために無理して来てくれたんじゃないかって心配したのに、清一にもからかわれた。


「おーい!おいていくぞー!」


 和樹は俺と清一より10mぐらい先でそう声をかけて、部屋に入ってしまった。なんであいつあんな乗り気なんだろうか。急いで追いつこうと早歩きになったとき、隣から肩を叩かれた気がした。


「清一。今呼んだ?」

「ん?別に呼んでないけど…」

「じゃあぶつかった?」

「いや?そっちが前なんだし止まらない限りはぶつからないと思うけど。」

「…気のせいみたいだ。」

「逆になんか隣から声しない?」

「え?しない。」

「…まじ?」


 2人で立ち止まってしまう。俺は今歩いてる通路に面している隣の部屋に妙に意識がいってしまう。清一も同じみたいだ。


「なぁこの部屋あけてみない?なんか気になる。」

 清一がそう言う。


「まじか…まぁ幽霊なんていないだろ…俺が開けてやる!」

 なんだか俺は急に勇気が出てきて、その元客室らしき部屋の扉を開けた。開けた際に何かを破ってしまったようだが、俺はそれに気がつかなかった。


「おぉ。すご!てか意外と部屋の中、綺麗だな...」

 清一はそう言いながら部屋の中を物色している。


「清一…。おまえよく触れるな。廃ホテルの客室だぞ?」

「なんか綺麗だからいけるかなーって笑」

「ってこれ!なんか高そう!」

 清一が開けた箱に入っていたのは赤い宝石のような塊だった。


「俺、これ持って帰ろー。」

「はぁ!?やめろよ!」

「大丈夫。ここに放置してあるってことは持って帰っていいだろ。」


 俺は泥棒的な意味でやめろと言ったんじゃなくて、心霊的な意味で言ったんだが...。だがそれを改めて言うとビビってるとからかわれそうだし、黙っていよう。


「そういえば和樹のこと忘れてた。」

「そうじゃん!早く行こうぜ。」


2人で客室を出て、和樹が入った部屋らしきところに向かう。


「…?あれいなくね?」

「たぶんこの部屋に入ったと思うんだけど、移動したか?」

「電話してみようぜ。って圏外?」

「…俺も圏外。」

「ここが電話悪いのかも。とりあえず外出るか。」

「そうだな!」

(やっと出られる!)



 外に出ると和樹が立っていた。

「和樹!おまえどこ行ってたんだよ!」

「いや、俺は最後に話しかけたあと部屋に入ってずっと待ってたぜ?なのになかなか来ないから外に出てた。」

「あれ?そんな時間経ってた?」

「そーだよ!あの部屋で30分ぐらい待ってたんだぜ!先に帰っちまったのかと思ったわ!」

 おかしい…。あの客室にいたのは長くともせいぜい5分だ。


「とりあえず今日は解散しよーぜ!俺あっちだから!」

「ちょ!和樹!」

 和樹は眠いのかさっさと帰ってしまった。

「俺らも帰るか…」

「だな...」



 無事に自宅に帰ってきたが、ずっと誰かに見られている感じがする。心霊スポット帰りだから気にしすぎかもしれないが。


 一旦寝てみて、忘れよう





「くっそ!今日も視線を感じる。」

かれこれ廃ホテルに行ってから一週間経つのに、日に日に視線は強くなりチラチラと人影が見えるようになった。そして段々人影が近づいてきている。


他の2人はどうなんだろうか…。とりあえず連絡してみよう。


…プルル…プルル

「…この電話番号は現在使われておりません。」

あれおかしい?和樹に連絡がつかない。この間は通じたはず。やっぱりあの心霊スポットからか?とりあえず清一にもかけとこう。


…プルル…プルル

「もしもし?」

 通じた!

「悪い俺だ!あの廃ホテルから帰ってから変なこと起きてないか?」

「もしかしてそっちも?」

「やっぱり!清一も起きてたんだな…!視線を感じたり、人影を見たり。」

「うん...。ヤバい気がしてたんだ。」

「それならさ、一旦俺と清一でお祓いに行かないか?さすがにやばいと思うんだ。」

「わかった行こう。和樹は?」

「連絡がとれないからお祓いに行ったあとに家に行こう。このままついたまま行って、心霊パワーアップされたら困るしな。」

「心霊パワーアップ?」

「だってあいつが行きたいって言い出して、1人で進んでたんだぜ?絶対幽霊に誘われてるだろ!」

「…確かに」



 こうして俺たちは近くにいる神社にやってきた



 神主さんに事情を話すと早速視てくれることとなった。

 これで安心できると思って清一の顔を見ると、うつむいていてその表情はよく見えなかった。


「…これはまずいですね。」

「え?」

「あまりにも強力なものが憑いています。そもそもこの霊がついているだけでもまずいのに、それに加え何かその霊に力を与えるものがありますね。」

「何かその建物内から持ち出しましたか?」

「…えっと宝石のようなものを持って帰ってきてしまいました。」

「私にはその霊を退ける力が足りません。そのため自力で追い払うしかないのです。」

「えっ!?俺たちには霊的な力はないですよ!」

「えぇ霊的な力の大きさではなく、媒体となっている本人が儀式を行うことでその霊を退けることができるようになるのです。」

「なるほど…。」

「では儀式についてお教えします。なるべく早く行わないと取り返しのつかないことになります。」


 神主さんに儀式のやり方を教えてもらって、道具を借りた。取り返しのつかないこととはなんだろうか…。気になるのは清一が神社に来てから一言も話さないことだ。もしかして俺よりも深刻なのかもしれない。



2人で黙々と儀式を遂行した。

あとはこの持ち帰ってしまった宝石を壊して、それに塩水をかけるだけだ。…思いきりハンマーを振りかぶって宝石を破壊した。


「清一。そこの塩水とってくれ。」

無言で清一が手渡してくる。これで儀式は終わりだ。


おかしい。神主さんの話では塩水をかけたら光ると言っていたのだが。まぁ塩水をかけたら光るっていうのは信じられなかったが、光らないと心配だ。


…ペロッ   

「甘い!これ砂糖水じゃん!清一、塩と砂糖間違えた?」

「…。あぁごめん!間違えちゃったみたい笑

 改めて塩水かけとく?」

「一応かけとこう。あるの?」

「あるよー。かけるね!」


 塩水を改めてかけたが、やはり光らない。だが清一が話せるようになったということは除霊できたんじゃないか?


 - 数日後

 俺と清一は久しぶりに和樹に会った。あの心霊スポット以来だ。

「和樹ー!まじであの心霊スポットのせいでひどい目にあったわ!」

「悪い悪い笑」

「でもまじで誘った記憶ないんだよな…気がついたらあの廃ホテルにいたし。」

「おっまえ!まじて取り憑かれてるじゃねーか!」

「でも俺はおまえと違って心霊現象は経験してねーよ!」

「いや俺だけじゃなくて、清一もだから!」


「…おまえまだ取り憑かれてるんじゃないか?」

「はっ?もう視線も感じねーよ!儀式までしたし。」

「いや、清一って誰だよ。」

「…ここにいるじゃん!悪ふざけはやめろよ!」

「いやここにいるの俺とおまえだけだけど。」


…意味がわからない。ちゃんといるだろうと清一の方を見る。


清一はまっすぐ俺の方を笑って見ている。その手には壊したはずのあの宝石が光っている。




ガシャーン!

ものすごい音がして振り向くと、和樹が立っていた場所にトラックが突っ込んでいる。トラックが突っ込んだ位置は、不自然に俺と清一をよけるような場所だ。








…耳元で「ずっと一緒だよ。」と聞こえた。



短いですけど、楽しんでいただけたら幸いです。

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