表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

コンテンツポリシーに反します

異世界召喚――それは、選ばれし者だけが手にできる“チート能力”との出会い。当然俺も、期待してた。


「コンテンツポリシーに反します。受領できません」

「召喚先王城より変更」

「モラル実装完了」

「転移します」


……は?

目の前に現れた水槽の中のAI女神(音声合成)が無表情にそう告げてシャットダウンした。

何の能力ももらえず、説明もチュートリアルもなし。

せめて『はい/いいえ』の選択肢ぐらい出せやコラァアア!


「バグ直してからアップデートしろこのやろうぉおおおお!!!!」

「……受領いたしました」


次の瞬間、俺はどこかの森に、パンイチで叩き落とされた。

モラルってパンツのことか?


空腹と羞恥で死にかけながら歩いて、ようやく村らしき場所が見えた頃。

俺は少女に出会った。ケモ耳の少女。ボロ布とノイズをまとう存在。


「きこえる、の?」

「……は?」

「ノノ。ノノは、ひとり。……キミも、そう?」


意味はわからないが、確かにこの子からは違和感を感じる。

消えかかってるようにも見える。


村に行っても門番から「身分証がないと入れない」と言われ、門も開かない。

そもそもパンイチを入れる度胸などないだろ。このやろう。


城壁はそんなに高くない3mかぎり登れそうだが、すぐ見つかるだろうな。


だったら、叩くしかないだろ。木の棒で。壁を。延々と。


「……キミ、だいじょうぶ?」

「いや、大丈夫じゃねえよ。だが、なんか……引っかかるんだ」


高い位置を。低い位置を。隙間を。音が違うところを。叩きまくる。まるで、クソゲーの壁判定探しだ。

その時だった。――棒が、スッと吸い込まれた。


「……あった。やっぱどっかにエラーがあると思ったよ」


壁が揺らぐ。テクスチャが歪み、光が裏側から漏れ出す。

「ノノ、ついてくるか?」

「う、うん!」


二人は壁に吸い込まれる。誰も知らない“裏側の城内”へ。


そしてその時、遠くの空に、警告のスキャン音が走った。

「観測外存在、確認――」

女神の処理者が目覚める。



俺たちは無事に侵入できたが、

「あ しまった俺パンイチだった」


即座に連行された。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ