4.9γ_記憶交換
召喚された日(以後、召喚日とする)から約23.A日目、住居村外にて記録された召喚者のログ
※地球の時間定義と合わせ、日数の小数点以下のみ24進数表記
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よっしゃぁ
コツを掴んできたぞ
イメージ的には私同士で見えないホースを2本繋げてそこで意識を流し合う感じ?
あとは記憶のみの交換とかができたりしたら完璧だなぁ
というか、それが目下解決すべき課題か
ならそれをやってみるか
まずは私自身の記憶を抽出してみよう
まずこれは私の意識に根付いている記憶というよりかは、記憶という映像データ?をバックアップ的な感じで抽出して、それを取り出す感じ?
だからつまりは、私という個人を構成する記憶、性格やらなんやらと絡んでるそれではなくて、他人にこんなことがあったよと伝える時に想起するタイプの客観的事実としての記憶?を分析したいわけよね
ということは、意識において"記憶"と名づけられた部分を、意識とは独立した形で投影したものを取り出せばよくって
お、うまく行った気がする
あとはこんな感じで抽出したものが"記憶"と呼べるものかの確認が必要かな
もう何度目かわかんないけど、コピーちゃーんカモーン
「私はこの周囲を散歩して景色を眺めてくるから、抽出された記憶が客観的事実としてのそれかを見てちょうだい」
「ほいよ
行ってらっしゃい」
おー
ゆっくりとカナン村の外に出るのはこの世界に来てから初めてだけど、地球の森とそんな変わんない気がするな
初めて出た時は半ば、いや9割誘拐的な感じだったら周囲の景色を見る余裕とかなかったけど、こうものんびり見てみるといい景色だなぁ
カナン村を隠すように高さがバグってる木々が生えてるけど、その更に外側にもちゃんと木が生えてるし
なんていうか、綺麗な空気ってこんな空気を指すんだろうな
おっと、もう十分歩いたかな
今はのんびり散歩をしたいんじゃなくて記憶の抽出実験がしたいわけだし
まぁ散歩は後ですればいいし
「ただいま
結構いい景色だったよ」
「はいはい、よかったね
それよりさっさと記憶を抽出してくんない?」
「はいはい
そんなイラつくなって
ほい、多分これで」
「おー、すげー
君が見てきた景色が自分事とのように見えるよ」
「お、よかった
なら実験成功だな」
「やったね
なら次どうするよ?」
「うーん
考えたんだけどさ、この世界の形とか、ホントに住んでる人間は全員カナン村にいるのかとか全然知らないからさ、私のコピーを送りまくってどんな感じか見てみない?」
「お、面白そうじゃんそれ
なら簡単なルール決めだけして散歩すっか」




