4.8γ_意識交換
召喚された日(以後、召喚日とする)から約23.9日目、住居村外にて記録された召喚者のログ
※地球の時間定義と合わせ、日数の小数点以下のみ24進数表記
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ふーむ
えーっと?
どうやりゃいいんだ、これ?
こう、うまいこと非肉体的情報のみをスワップさせたいのに、イメージが全くできない!
「無理だ
イメージできない」
「どんなイメージをした?」
「なんといえばいいかなぁ
この繋いだ手から私の意識と君の意識を同時に置き換えるみたいなイメージをしてみたけど、なんていうのか、意識を構成する非肉体的情報が複雑すぎてどことどこが同じなのかがよくわかんなかった感じ?」
「流し込むことはできなかったの?」
「やろうとしたんだけど、えーっと、ホースの中を逆方向に同時に流れる液体をイメージできなかった
意識の全てをどちらかの肉体に注ぐことはできそうだけど、そうしたら1人の私が2人分の記憶を持つことになるだけで、そこから意識を再び2つに分けることができる気がしなかったからやめといた」
「ふーむ
まぁ1人の肉体に2人分の意識を入れるってのは、それはそれで危ないからねぇ
今んところは2人分の意識の性質が記憶以外は殆ど同じだから気にすることはあんまないけど、もし記憶どころか性格とかまで変わっちゃったりした状態で2人分の意識を混ぜたらどうなるかわかんないからねぇ」
「確かにねぇ」
「とりあえず、意識についてわかったことを教えてよ」
「あ、うん
うーん、とはいってもあれをどう表現すればいいのか
すっごい雑な言い方をすると、意識ってのはいろんな液体が溶けたミックスジュースなんだよね、多分
それぞれの液体には、思考だとか性格だとか記憶だとかそういう肉体的情報以外の全ての情報があるんだけど、例えば記憶の蓄積によって性格が決まるようにさ、どれも密接な関係にある状態なんよね
だから私と君の非肉体的情報を交換させようと思ってもミックスジュースの成分を単体で分離できないって感じ」
「はぁーなるほどね
つまり結局はどうやって2つのコップだけを使って2つの液体を入れ替えるかって問題に落ち着くわけかぁ」
「うん、そうなんよねぇ」
うーん、どうするのがいいんだろ?
あの意識から必要な部分だけ抽出して交換できたら目標達成といえるだろうけど、できるのか?
あれは間違いなく下手に記憶を抜いたりすると性格やらなんやらが歪むし、さ
「思いついたんだけどさ」
「ん?」
「片手だけ繋いだのが悪手だったんじゃない?
両手繋いて、左からは私の意識を君の肉体に流し込んで、右からは君の意識を私の肉体に流し込めばいいんじゃない?」
「確かにー!」
えっと、手を繋いで
「じゃあ私はこっち側から意識を流すから」
「なら私はこっちから意識を流すよ」
意識注入!
なんか言い方が卑猥な気もするけど
って何考えてんだ!
今は私自身の意識を流し切ることに集中して!
「あ、これは」
「成功したねぇ」
見える景色が変わってる!
「じゃああとは」
「これを手を繋がずともできるようにすること?」
「だね」




