1.6_自己嫌悪
いつからかな?
地球での生活のことを一切振り返らず、これからの生にばかり思いを馳せていたのは?
親もきょうだいもまだピンピンしているはずなのに
それに祖父母たちとはしばらく会えていなかった
体調を崩していることは知ってい
『おい、聞いてんのか?』
るのに
なんでこれからの生を無条件に受け入れたんだろう?
もしかして私は自分が思っている以上に冷たい人間だったのかな?
他者に興味を持てないことは自覚していたけど、家族にすら興味を持っていなかったのかな?
『おい!!』
「なんでしょうか?」
やば!
あまりにもの大声に思考が中断されて、思わずなんも考えず返事してしまった
咄嗟に敬語を使えたことを誰か褒めて欲し
『だーかーらー、地球にいる奴らと話したいかって聞いてんだよ!』
あー、そんな話をしていたな
「お手数をおかけしますが、私の家族とお話しする時間をくださると嬉しいです」
私が死んでからどれだけ経ってるかはわからないけど、せめてさよならくらいは言っておきたい
葬式は結局のところ生者の自己満足でしかないとはいえ、死者にはその自己満足に付き合う義務があるよな
まあ、私以外の死者が死後どうなるのか知らんから、結局この考えもじ
『しばらく時間をやる
オメーが望めば、望んだ奴の夢にオメーがいけて、夢主と話せんだろ』