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ミキュー歴史報告書_人間界  作者: 鈴木蓮
ミキュー到達前
3/109

1.2_自我確立

いまだに状況は理解できないけど、視覚的な情報はある程度整理できてきた

とは言っても、頭痛を感じる前とほとんど変わんない

と思う

空間は相変わらず白いし、何かが出現したわけでもない



だけど、何かいる

見えないのにその存在を感じる

声が聞こえたからとかそんなチンケな理由なんかじゃない

ただ、存在を感じる



なんだろう、この感情

これまでの私の人生でこんな気色悪さなんて感じたことがない

無理やり言語化するなら、"鷹に睨まれた雀"かな?

きっと雀は鷹に睨まれていると、見えずともその存在を感じるんだろうな

うん、思った以上にしっくりきた

つまり、"彼ら"は鷹で、"私"は雀だ

それにしても、何か変なことを鷹は言っていたけど、それってどうい


『おい、聞いてんのか?』


ヤバ、鷹の言葉を完全に無視してしまっていた

というか、頭の中に記憶を入れたと言われたってさ、何を言ってんだろうか、この声は?

私の頭に私の記憶があるのは当然なのに


「返事が遅くなってしまい、大変申し訳ございません」


相変わらず訳はわかんないけど、とりあえずめっちゃ下手にでる


「一点お伺いしたいことがございます

 先ほど、私の記憶を入れたとおっしゃったと思うのですが、私という存在に私の記憶が内包されているため、不思議な言い方だと思ったのですが、言い間違いでしょうか?」




え?

なんか声がしなくなったんだけど

どうせなら、声だけじゃなく存在感も消してくれませ


『ガハハハハハハハ』

『ウォホ』

『オホホホホホホホ』

『アハハハハハハハ』

『プッ』

『バーッハハハハハ』




え?

なんか鷹たち全員が大爆笑してるんだけど、なんか変なこと言ってしまったかな?

もし私が不敬なことを言ってしまったんだとしたら、処刑とかされるのかな?

もう1回死ぬのは流石に嫌なんだけ


『なーにいってんだ?

 オメーは俺たちが作った人形でしかない

 そこに地球とかという世界で死んだ奴の記憶をオメーに移しただけだ

 つまりオメーは記憶を持っただけの人形だ』




あー、そういうことか

いわゆる異世界転移をしたのかと思ってたけど、そういうわけじゃないらしい

どうやら今の"私"は、鷹たちが作ったらしい"人形"、あるいは"器"と考えると鷹たちの立場に近づけるかな?、に地球で死んだ"私"の記憶が移された存在らしい

すっごい簡単に言えば、入れ替わったようなもんだろう

ただ入れ替わりが死者と人形の間で行われたってこ


『そしてオメーは俺様たちの世界で生きろ』

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