7. びしょ濡れ
たしか、2階だ。ここだ。この扉のなかにあの匂いの女性がいるんだ。
ふらふらしてきた。視界が滲んで、霞んで、意識が途切れるーーー
パタン
ふう、PC作業終わった〜。
ふう、いろいろなことがあったな。うんでも、救急車きてくれたし、怪我もひどくなくてよかった〜。えっと何で私、不法侵入者の心配してるんだろ。あぶないあぶない。ウェンディ症候群ってやつ?うちのお母さんもそれだからなー。やっぱ、血が世話好きなのかな。もう、考えるのやめよう。
っと、なんか、雨めっちゃふってきたなー。窓の外が暗いし、雷落ちそうだよな。あ、でも、今日のご飯買いに行こうとしてたんだった。ん〜どうしよ。
ふと、着替えようとしていつも明けっぱなしにしている、クローゼットが目に入った。あー、ほんと何でだろ。
そろそろと近くの洗濯物をつかんで、片付けをすると言う名義で、ただまだ畳んでいないTシャツと下着やらを拾い集めてクローゼットにぶち込みに行こうとした。
うーん、いや、穴もないし、実際雨漏りしてないし、そもそも、人間ひとりギリギリ収まってないくらい小さいんだし、(私がモノを置きすぎて狭く見えるだけか、人ひとりははいれるのか・・・?)
たまたまだよ。私が鍵かけ忘れてしまったんだよね。それで間違えて入ったんだ。うんそうだそうだ。
よし、着替えよっと。
えーっと、いつものT-シャツと長ズボンでおっけ。
化粧もパパッとやっちゃって。
長年壊れない丈夫な傘でレッツゴーだ!近所のスーパーへ。
がちゃ。
なんかいる!びっしょり濡れてる!ネズミみたいだな。にしては大きいな。なんか、実家の犬をお風呂に入れた時みたいな・・・。
あ、犬だ。濡れて、ふわふわ感はなかったし、わからなかったけど。倒れてるし、大丈夫かな。
ちょっと、放って置けないし、わたしの部屋の真ん前だし、首輪ないし、どこからきたんだろう。
「ごめんねー。触るねー」
毛並みいいな、野犬ぽくないし、血統種ってわけでも、ないし、というか、保護しないと、!!
息はしてる。噛み付かないし。
「タオル持ってくるから待ってて」
「おいで、抱っこするね。大丈夫だよ」
自分の服がびしょ濡れになりながらもそんなの厭わなかった。不思議と保護しなきゃ、という使命感があったのだ。
う〜ん、とりあえず、乾かしてあげなきゃ。ドライヤーでっと。う、やっぱり、あとで風呂に入れてあげたいな、泥ついてるし。うんでも、とりあえず、乾かそう。頑張れ私、潔癖ではないはずだし、命に関わるからな。
スマホで、「犬 体調悪い」 と検索してみた。
「動物病院で見てもらいましょう」
やっぱ、どのサイトにもそう書いてあるわ。私もその方がいいんだと思うけどね、大雨警報出てるし、車持ってないし、運転出来ないし、明日元気なかったら、タクシーでも呼んで、動物病院に行こうと思う。一応夜間動物病院も空いてるっぽいし、今日でもいいんだけど。
「わんちゃーん。大丈夫かな」
くーん
か、かわいい////
作者は大の犬好きです。




