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喋るスマホと私  作者: 「」
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出会いとスマホ

アニメイトバディ1の参加作品です。


テーマや、文にご注目を! 色々と要素を入れ込みました。

「浮かない顔してんな」

 

 いつもの帰り道、ソレはいた。

 ビリビリに破けた段ボールの中にスマホがちょこんと座っている。

 

「い、いっけなーい……遅刻遅刻ー……」

「無理やり過ぎ去ろうとするな! しかも今下校時間だろうが!」


 誰かのイタズラかと思い、遅刻少女を装って過ぎ去ろうとするも正論で引き止められる。

 どうやら録音ではないらしい。


「……リアルタイムで誰か見てるんですか……?」

「俺が見てる」

「え……?」

「だから、俺が見てる」


 破れて低くなっている段ボールの縁からそのスマホが一生懸命に跨いで出てきた。

 

「いやいやいや、あの。通話してる人が誰ってことで」

「俺自身だ。俺自身が喋ってる。自立型のスマートフォンだ、宜しく」


 スマホの画面に映っている、黒い一つの長方形の目? でパチパチと瞬きをする。

 当たり前かのようなそんな反応で私を見つめてくるスマホは、こちらの疑問なんてお構いなしに話を続けた。


 「まあ。()()()()、だけどな」

 

 例えば今持ってるスマホが。そうじゃなくても皆んなのスマホがいきなり喋り出して元人間なんて言い出したら。

 それはもうびっくりするし、誰もが最初は信じないと思う。

 でも、私がここまですんなりと信じてしまったのはきっと、この変化を心の奥底で欲していたからなんだろう。

 春風がスカートを揺らす。この香りは一生のカセットテープだ。この匂いを嗅ぐたびにその思い出がどこまでも続く青空に映し出される。

 これは、そう。

 ――私の相棒(バディ)との出会いの物語だ。

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