夜の時間割り。
月明かりに濡れる私の身体
お風呂場の小窓から漏れる夜の光
そっと湯船に身を隠す
いつか誰かにって
そんなこと──
キスって、どんなか知らない
揺れる湯船の水面
誰かに教えて欲しくて止まらない
入浴剤の下の
胸のドキドキ
私の下の……
(魅力的なのかな──?)
男の子の気持ちって、分からない
姿見の鏡が曇っている
見えなくって
恥ずかしくって、そのまま目を逸らす
誰かとするって、どんな気持ちだろう?
シたとか、シてないとか、
まだ早過ぎるのかな……
モヤモヤと浮かぶ湯けむりの謎が
お風呂場の天井に昇る
楽しいようで不安なようで
のぼせないように
ポタリと雫が、首の後ろのうなじに落ちる
(ひゃっ……!!)
びっくりするような……
ドキドキするような──
早くすませなきゃいけない明日からの課題は
焦らずに解かなきゃ分からない難題
お風呂場から上がってすぐの扉を開けて飛び込む冷たい空気に
逃げるようにバスタオルつかんで
また扉を閉める
まだ温かいお風呂場の白い湯気と橙々色の電気の明かり
私がバスタオルで身体を拭くと
白い素肌が揺れる
少し曇りの取れて来た半透明の姿見の鏡に
私の身体が映る
まるで妖精みたいに
(──いつか、誰かに……?)
そんなこと想って
明日の時間割りさえ出来ていない鞄の中身を想い出す
急いで下着つけてパジャマ着て、
二階の部屋へと駆け上がる
揺れる私の胸……
けっこう大きくなって来てて
中学の時よりも
最近は──、
なんて想う
夜の課題は
まだ、すっぽかしたまま
時間割りさえ忘れて
そのまま、冷たいお布団にもぐった
今はとっても眠いから……




